米国がオーストラリアと合意した米海兵隊のダーウィン駐留は、海洋進出を加速させる中国を封じ込める戦略的意図がある。中国国防省は駐留を「冷戦思考の表れ」(耿雁生報道官)と批判した。中国軍の羅援少将は昨年末、「中国が大国になるには(日本からインドネシアに延びる)第1列島線を突き進まなければならない」と発言した。実際、中国艦船は「第1列島線」を突破する形で沖縄本島と宮古島の間を抜け、西太平洋上で軍事演習を繰り返す。 米軍は北半球のアジア地域に兵力7万人を展開するが、南半球は手薄だ。中国の新型弾道ミサイルが沖縄を射程にとらえる中、「第2列島線」の南端の延長線上にあるダーウィンへの米海兵隊駐留について、外交筋はこう解説する。「太平洋全域を南からにらみ、シーレーン(海上輸送路)防衛に向けた決意を中国に示すのに最も妥当な場所だ」 ◇ ◇ ダーウィンから飛行機で1時間半の距離に、人口100万の小国、東ティ