内憂外患 しばらく前まで自信満々だったメルケル独首相だが、ロシアとの制裁合戦やドイツ企業の業績悪化で渋い顔 Fabrizio Bensch-Retuers ドイツの景況感に暗雲が垂れ込めだした。ユーロ圏の経済が依然として伸び悩む中、ウクライナをめぐるロシアと欧米の制裁合戦でドイツ企業にしわ寄せが及び始めたからだ。 ドイツのIFO経済研究所が発表した9月の企業景況感指数は104.7で、13年4月以来の最低水準だった。「ドイツ経済はもはや順風満帆ではない」と、同研究所のハンスウェルナー・ジン所長は言う。 ユーロ圏最大の経済大国ドイツはヨーロッパの経済成長の牽引車であり、ドイツ経済に影が差せば、ユーロ圏の他の17か国にも影響が及ぶ。 ドイツにとってロシアは重要な貿易相手国だ。ウクライナ問題で欧米諸国がロシアに制裁を課し、ロシアが対抗措置を取る状況が続けば、ドイツ経済はとりわけ深刻な影響を受けるだ