全国の水俣病研究者や医師、支援者たちが意見を交わす「第13回水俣病事件研究交流集会」(実行委員会主催)は最終日の7日、水俣市の市公民館で、胎児性患者の坂本しのぶさんらの報告があった。カナダの先住民居留地で起きた水銀汚染に関する現状や、熊本学園大水俣学研究センターの活動を伝える発表もあり、「終わらない水俣病」を取り巻く課題の整理を中心に議論を深めた。 昨年9月にスイスで開かれた「水銀に関する水俣条約」第1回締約国会議に参加し、水銀被害の根絶を訴えた坂本さんは「私の言葉が伝わったと思う」と話した。付き添った支援者の谷由布さんは「いろんな人と会う機会が得られ、充実した10日間だった」と振り返った。 カナダ先住民の水銀被害を研究する和光大(東京)の森下直紀講師(環境学)は、現地の州政府が昨年6月、汚染した河川の浄化に10年間で計約76億円の資金拠出を決定したことを報告。厳しい環境基準を設けて環境回