新型コロナウイルスの急激な拡大に、「まるでSFが現実になったかのようだ」と思った人が少なくないようだ。謎の感染症の爆発的流行で世界が大混乱に陥る、というのは、SF小説や近未来を想定した映画で、しばしば取り上げられてきたテーマだからだ。その中でも多くの人が想起するのが小松左京の名作『復活の日』(角川文庫)だ。 映画のタイトルはずばり「Virus(ウイルス)」 吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。傍にはジェラルミン製の壊れたトランク。中には、感染症を引き起こす、恐ろしいMM菌が入っていた。春になり雪が解け始めると、ヨーロッパ各地で奇妙な死亡事案が報告され始める。やがて全世界に被害が広がり、人類が滅亡の危機に陥る・・・。 本書を基に1980年、映画「復活の日」が公開されている。見た人も多いだろう。角川春樹事務所とTBSが共同製作し、東宝が配給したSF大作。アメリカ大陸縦断ロケや南極ロケを敢行
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