カッコウの托卵は、寄生相手の卵・ヒナを殺してしまうので、カッコウ自身にとっても絶滅の危険を伴う。AIDSウィルスの場合、寄生相手もろとも自身も消滅してしまうので、結果的に、共生志向のものが代を重ねるにつれ残ってゆくことになる。 しかしカッコウの場合は、エゴイスティックに振舞うほどその個体が生き延びる確率は高くなるので、利己的な遺伝子の結果、種や亜種が絶滅してしまう可能性が高い。 托卵は私見ではおそらく当初は巣を借りる行動から始まったのではないかと思う。他種の巣を乗っ取り、卵を産み落としたところで奪い返されて巣を放棄した、それが結果的により多くの卵を産み、より多くのヒナが育つことにつながったゆえに遺伝として固定されたのだろう。 最初は寄生相手の防衛能力も低く、托卵行動は爆発的に成功したと考えられるが、寄生相手が防衛能力を強めるにつれ、托卵は巧妙化せざるを得なくなった。 寄生相手の卵に似せた卵