【ムリノ(ロシア西部ニジニーノブゴロド州)=小柳悠志】ロシア軍は、ベラルーシと合同で今月中旬実施した軍事演習「ザーパド2021」で、人工知能(AI)を搭載した無人式の戦車型兵器とみられる「ウラン9」を初公開した。いわゆる「殺人ロボット」で、対立する北大西洋条約機構(NATO)をけん制する狙いとみられる。 ロシア軍によると、ウラン9は遠隔操作により戦闘地帯を走行。2キロ先の目標物を識別し、砲撃やミサイル発射を行う。ロシアはシリア内戦で実験的に投入してきたが、詳細を明らかにしてこなかった。 ショイグ国防相は5月、AIを搭載し、人間の意思を介さず戦うロボット兵器の量産を始めたと発表。政府系メディアなどは、ウラン9が当該のロボット兵器の可能性が高いと報じている。今回の演習で、軍幹部は「兵士とロボットの最適な組み合わせを探る」と話した。