印刷 埼玉県東松山市埋蔵文化財センターは1日、市内の高坂古墳群の一角から三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう=直径22センチ)を発掘したと発表した。早稲田大シルクロード調査研究所の車崎正彦研究員によると、関東以北では、福島県会津若松市や千葉県木更津市などで見つかっているという。 同センターによると、出土したのは「三角縁陳氏作四神二獣鏡(さんかくぶちちんしさくししんにじゅうきょう)」。漢文35文字の刻銘があり、中国神話の西王母や東王父、仙人、竜虎が描かれていることから、西暦250〜260年ごろに中国で作られたと見られる。銘文は「陳氏の作りし鏡は甚だ大いに好(よ)ろしい」などと読める。 ほかに神と獣をねじった模様が描かれた捩文鏡(ねじもんきょう=直径7.4センチ)なども出土。ヤマト政権と結びついた勢力があったことを示す資料になりうるという。