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ブックマーク / book.asahi.com (30)

  • 大学改革のゆくえ 裾野広い人材育成で好循環を 明治学院大教授・石原俊|好書好日

    10兆円規模の大学ファンドの最終まとめ案を議論する国の総合科学技術・イノベーション会議の専門調査会のメンバーら=昨年1月 さる6月、国は世界水準の研究力を目指す「国際卓越研究大学」(卓越大)の候補を事実上、東大・京大・東北大の3校に絞った。今秋に最終認定される卓越大には、10兆円規模の大学ファンドの運用益から、年間数百億円もの助成が行われる。卓越大制度は戦後日の大学史上、1991年の一般教養課程廃止と「大学院重点化」、2004年の国立大学法人化に続いて、3度目の大改革にあたる。30年以上も大学改革が続いてきたわけだが、その結果は芳しくない。 2度目の大改革では「選択と集中」の旗のもと、国から国立大への定常的給付金(運営費交付金)が削減され、プロジェクト型の時限付補助金(競争的資金)が増額された。だが安定して人件費に使える予算が減ったために、教職員の非正規率が増加し、これが1度目の大改革で

    大学改革のゆくえ 裾野広い人材育成で好循環を 明治学院大教授・石原俊|好書好日
    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2023/08/10
    むしろ"裾野を削って、浮いた金で選択と集中を行なって乗るかそるかの一点突破!"が本邦の教育・研究行政の方針らしく
  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
  • 「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日

    藤巻一保さん=撮影・北原千恵美 藤巻一保(ふじまき・かずほ)作家・宗教研究家 1952年、北海道生まれ。中央大学文学部卒。編集者を経て著述活動に入る。東洋の神秘思想、近代新宗教に関する著作を数多く手がけている。主な著書に『密教仏神印明・象徴大全』『役小角読』『秘説 陰陽道』『愛と呪法の博物誌』『偽史の帝国 “天皇の日”はいかにして創られたか』など。 異常な時代の正体を明らかにしたかった ――藤巻さんの『戦争とオカルティズム 現人神天皇と神憑り軍人』は、陰謀論や超古代史などのオカルトに魅了された旧日軍の軍人たちを通して、日を〈聖戦〉へと導いたイデオロギーに迫った異色の戦争裏面史です。執筆のきっかけを教えてください。 若い頃から秘教的な世界に興味があって、長年その分野のを書いたり編集したりしてきましたが、一方で日は神の国であるという信仰に支えられた明治から昭和までの日についてもず

    「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日
  • 「しまっちゃうおじさん」誕生秘話 「ぼのぼの」作者いがらしみきおさんインタビュー|好書好日

    文:吉野太一郎 画像提供:いがらしみきおさん、竹書房 いがらしみきお漫画家 1955年、宮城県生まれ。24歳で漫画家デビュー。1986年に「ぼのぼの」連載開始。88年に第12回講談社漫画賞受賞。2019年に漫画家生活40周年を迎えた。「ぼのぼの」は単行45巻のほか、映画化2回、アニメシリーズ化2回。ぼのぼの絵『しまっちゃうおじさんのこと』などもある。その他の作品に「ネ暗トピア」「忍ペンまん丸」「誰でもないところからの眺め」「かむろば村へ」「羊の木」(作画)、「I【アイ】」など多数。 どんどん自分のイメージから離れていった ――ぼのぼのや森の動物たちの幼少期を描いたスピンアウト「ぼのちゃん」シリーズの完結編に「しまっちゃうおじさん」の誕生秘話を選んだのはなぜですか? 「ぼのちゃん」という話は結局、編のぼのぼのの話と完全にはつながっていなくて、ある程度パラレルワールドの世界ではあります。

    「しまっちゃうおじさん」誕生秘話 「ぼのぼの」作者いがらしみきおさんインタビュー|好書好日
    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2022/04/13
    2020年5月の記事
  • 福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日

    宮川陽子さん福井県立図書館 司書 1998年から福井県立図書館で司書として勤務。現在の担当分類は、建築や機械工学、家政学などを扱う「5類 技術」(日十進分類法)。読書バリアフリーサービスや寄贈図書の管理なども行なっている。同館の「覚え違いタイトル集」の発案者でもある。 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」 レファレンスサービスの認知向上のために ――「覚え違いタイトル集」は、どういった経緯で生まれたのですか。 そもそもの始まりは大学時代の後輩が久世番子さんの漫画『暴れん坊屋さん』を勧めてくれたのがきっかけかもしれません。久世さんが書店でバイトをしていたときのことを描いた漫画で、お客さんが覚え違えているタイトルから「これですね」と正しいタイトルのを渡すシーンがあったんですよね。それを見て図書館のカウンターでも似たようなことがあるという話から、エクセル表で覚え違いの事例を集めていくことに

    福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日
  • 2021年に亡くなった漫画家たち 先人の功績、丹念に検証したい|好書好日

    みなもと太郎とさいとう・たかをの功績をしのぶ追悼コーナー=京都国際マンガミュージアム、筆者撮影 2021年も複数の漫画家が亡くなった(カッコ内は没月・享年)。 「緑野原学園」シリーズで知られる星野架名(4月・57)、「ベルセルク」で旺盛な創作を続けていた三浦建太郎(5月・54)、コミック版「魔王学院の不適合者」を連載中だったかやはるか(7月・年齢非公表)、「ヤンキー水戸黄門」で新たなギャグに取り組んでいた和田洋人(同・46)、そして「緋(ひ)の稜線(りょうせん)」などで人気を博した佐伯かよの(8月・69)と、絶筆が惜しまれる世代の訃報(ふほう)が相次いだ。 一方、サラリーマンの視点から世相風俗を描き続けた「フジ三太郎」のサトウサンペイ(7月・91)、貸マンガ最大のヒット作「忍者武芸帳」の白土三平(10月・89)、その白土の「カムイ伝」シリーズで作画を務めた白土の実弟・岡鉄二(同・88)

    2021年に亡くなった漫画家たち 先人の功績、丹念に検証したい|好書好日
  • ナチズム研究の世界的権威が「断末魔の10カ月間」に迫る イアン・カーショー『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』|じんぶん堂

    記事:白水社 ナチズム研究の世界的権威が、第三帝国末期の「断末魔の10カ月間」に迫る! イアン・カーショー著『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』(宮下嶺夫訳・小原淳解説、白水社刊)は、学術性と物語性が融合した傑作巨編。 【地図9点、カラー口絵16頁収録】 書籍情報はこちら 【著者インタビュー動画:DAS ENDE von Ian Kershaw】 初めに 1945年初頭、惨憺たる敗戦が迫りつつあったころ、ドイツではしばしば、「終焉なき恐怖よりは、恐怖ある終焉」の方がましだという言葉が聞かれた。結局彼らが経験したのは、「恐怖ある終焉」だった。それは、歴史上前例のない方法と規模とで彼らを襲い、巨大な破壊と膨大な人命の喪失をもたらした。この災厄のほとんどは、ドイツが連合国の要求する降伏条件に屈していたならば避け得たはずのものだった。それゆえ、1945年5月以前、ドイツが降伏を拒否し続けていたこ

    ナチズム研究の世界的権威が「断末魔の10カ月間」に迫る イアン・カーショー『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』|じんぶん堂
  • #48 マッカーサーと同じ部屋に泊まった「奇跡」 横浜|好書好日

    1泊1部屋24万円。これまでの人生で、いや、恐らくこれからの人生でも、一番高額な宿泊料の部屋に泊まることができた。横浜のクラシックホテル・ニューグランドにある、315号室。その名も「マッカーサーズスイート」。あのマッカーサー元帥が宿泊した部屋である。 以前、この連載でも書いたことがあるが(#22 はじめての「日クラシックホテル紀行」)、夫の影響で、日のクラシックホテルをめぐる旅を密かに実行している。9つのクラシックホテルで構成される「日クラシックホテルの会」発行の「クラシックホテルパスポート」(税込1500円)を使って、3年間の間に4つのホテルを巡ればペア事券、9つのホテルをすべて巡ればペア宿泊券がプレゼントされるのだ。 夫の誕生日、結婚記念日、そして私の誕生日と年3回のペースで国内旅行に行き、この「大人の贅沢」を楽しんでいる。これまで日光金谷ホテル、蒲郡クラシックホテル、川奈ホテ

    #48 マッカーサーと同じ部屋に泊まった「奇跡」 横浜|好書好日
  • 「ベネズエラ」書評 過度の権力集中が示す苦い教訓|好書好日

    ベネズエラ 溶解する民主主義、破綻する経済 (中公選書) 著者:坂口安紀 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット ベネズエラ 溶解する民主主義、破綻する経済 [著]坂口安紀 インフレ率は10万%を超し、糧難で国民の過半が平均11キロ痩せ、治安は世界最悪レベルのベネズエラ。かつて安定した民主体制をもち、いまも世界一の石油埋蔵量を誇るこの国は、なぜこれほど悲惨な状態に陥ってしまったのか。理由を一言でいうと、権力の過度な集中である。 経緯はこうだ。1992年、伝統的政治家への不信が強まるなか、将校チャベスは軍事クーデターを決行した。若いときから彼は体制変革を夢見ていた。クーデターは失敗するがチャベスは生き延び、98年の大統領選で当選を果たした。チャベス政治の特徴は、法の支配を尊重しないことだ。彼は超法規的な手段により新憲法を制定した。そして新憲法のもと、最高裁や国家選挙管理委

    「ベネズエラ」書評 過度の権力集中が示す苦い教訓|好書好日
    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2021/02/28
    「痛感させられるのは、法の支配と権力分立の大切さだ。それらの軽視を認めると、おそらくどのような国でもベネズエラのようになりえるのだ」
  • 学校教育に忍び寄るオカルト思想 原田実『オカルト化する日本の教育』より|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 original image: beeboys / stock.adobe.com 書籍情報はこちら †教育現場は感動に飢えている ここ一〇年くらいの間に「江戸しぐさ」の道徳授業への導入や、親学の台頭と並行して教育現場に広まりつつあるものとして、大規模な組体操、1/2成人式、誕生学などが挙げられる。 小中高等学校の運動会などで児童・生徒たちによる組体操は、ピラミッドやタワーなどで次第にその高さを競い合う傾向があった。二〇一四年度には組体操関連で起きた事故が全国で八五九二件(独立行政法人日スポーツ振興センター調べ)に及んでいる。組体操で起きる事故の中には死者が出たり重傷者に重い後遺症が残ったりした例もある。 名古屋大学准教授の内田良の試算によると一五一人で構成される一〇段のピラミッドだと土台の中央部には一人あたり三・六人分の体重がかかる生徒がいる。中学三年男子の平均体重では

    学校教育に忍び寄るオカルト思想 原田実『オカルト化する日本の教育』より|じんぶん堂
  • 暗い時代の明るい笑顔 吉本浩二「定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ」(第119回)|好書好日

    泥臭くレトロなタッチで描く『ブラック・ジャック創作秘話』(原作・宮﨑克)など、エモいノンフィクションマンガで知られる吉浩二。そこそこ売れっ子であるはずの彼のこづかいは月わずか2万1000円だという。以前は3万円だったのだが、2人目の子どもができて「3割カット」されたらしい。第一線で活躍する40代半ばのマンガ家が、193円のお菓子を買うべきか全身を震わせて悩んでいる描写はあまりにも強烈だった。小学生か! 「モーニング」(講談社)で月イチ連載中の『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ』は、最初に作者自身のこづかい事情が描かれ、第3話以降は同じく2万円前後の「低額こづかい」でやりくりしている実在の中年男性たちが次々と登場する異色のノンフィクションだ。恐ろしいことに自宅で昼を取る作者以外は、ほぼ全員がこの金額に昼代も含まれている。83年製のホンダGB250クラブマンを愛する佐野さ

    暗い時代の明るい笑顔 吉本浩二「定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ」(第119回)|好書好日
  • 大西巨人の巨編「神聖喜劇」 家族が資料を寄託し、見えてきた創作過程  |好書好日

    書けない心中の苦しさを吐露したメモ 短編を企図 章題追記の跡 大西の小説第一作は1949年刊、『精神の氷点』。その後、スランプに陥った50年ごろに書いたとみられるメモが見つかった。電気スタンドと一冊のが描かれた落書きの周りに、に宛て「美智子よ/君は眠つているか/生活の重みにおしひしがれようとしながら(中略)負けまい負けまい/いつか必ずこの原稿残に私の心がしぼり出すまことの文字で埋まるだろう」などと走り書きされている。 デビュー作の刊行前から「神聖喜劇」の題名での構想があったことが明らかになった。48年、批評家の荒正人からの手紙に「『神聖喜劇抄』のことは(一回に掲載のこと)は我儘(わがまま)とは思ひません」と言及されている。 実際に『神聖喜劇』の執筆を始めたのは55年。当初は作品の一部を、独立した短編として発表しようと考え、編集者にも見せていたようだ。題名は「最初の小波瀾(はらん)」。同

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  • ソ連への萌え止まず『いまさらですがソ連邦』刊行 不思議な超大国をまるごと紹介|好書好日

    速水螺旋人(はやみ・らせんじん)漫画家 1971年生まれ。代表作は「ずれ戦線―魔女ワーシェンカの戦争-」(徳間書店、全2巻)、「大砲とスタンプ」(講談社、既刊7巻、連載中)など。 凄まじい矛盾と両極端を抱えた国 ――今回、書のテキストを担当した津久田重吾さんは、元ソ連軍人のキャラクターも活躍する漫画BLACK LAGOON」(著:広江礼威、発行:小学館)など漫画やアニメ、映画でミリタリーの考証や監修を手掛けてきました。イラストと手書きの文章を担当した速水螺旋人さんもソ連軍やスラブ地域の伝承をモチーフにした漫画を多く描いています。長年ソ連に萌えまくって情報発信してきた2人ですが、なぜはまっていったのですか。 津久田 そもそも僕のソ連趣味は崩壊前から約30年間続いてます。速水さんも昔からコミックマーケットでソ連のミリタリーを扱うサークルが出していた会報を買っていました。つまらない国なんて

    ソ連への萌え止まず『いまさらですがソ連邦』刊行 不思議な超大国をまるごと紹介|好書好日
  • 「エヴァ」でも注目、「死海文書」に世界はなぜ驚かされるのか? 日本語版刊行開始|好書好日

    文・北林のぶお 「死海文書」は、確かに存在している。旧約聖書の写を含む約2000年前の古文書が、「世紀の大発見」と言われてから約70年。解読作業の遅れから、オカルト的な興味の対象になったり、真偽そのものを疑う声も一部で上がった。ようやく現存する文書の公刊がほぼ終わり、日でも全12冊の刊行が始まった。ぷねうま舎の社長で編集を担当した中川和夫氏は、聖書を新たに読み解く試みについて「長年の夢を実現できた」と、静かに語る。 ――まず「死海文書とは何か」というところからお聞かせください。 1946年から47年にかけて、現在のヨルダン川西岸地区にある死海のほとりの洞くつ群から、ベドウィンの羊飼いの少年が偶然にも巻物を収めた壺を見つけた、という逸話が伝えられています。巻物は後に20世紀最大の考古学的発見と言われるのですが、ベドウィンから古物商、さらにはシリア正教会の大司教の手に渡り、数奇な運命をたど

    「エヴァ」でも注目、「死海文書」に世界はなぜ驚かされるのか? 日本語版刊行開始|好書好日
    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2018/08/01
    イエスというか初期キリスト教団にどの程度の影響を与えたのか(あるいは与えなかったのか)は興味あるが
  • 「男色の日本史」書評 正面から向き合い、真摯に分析|好書好日

    男色の日史 なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか 著者:ゲイリー・P.リュープ 出版社:作品社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 男色の日史―なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか [著]ゲイリー・P・リュープ あったことは感得できる。けれど、どう説明したらいいのか分からない——ということが、歴史にはよくある。その昔は中世の仏教がそうであった。八百万(やおよろず)の神々を祀(まつ)る朝廷で盛んに法会が催され、僧侶が政治的影響力をもつ。これを1970年ごろ、黒田俊雄は「権門体制論」の中でスパッと説明してみせた。 仏教寺院を一大拠点として隆盛を見た(この点でキリスト教の教会とは異なる)男色(なんしょく)も、まさにそうしたものである。高貴な階層から庶民まで、日人は男色を好んだ。これは疑いなさそうだ。でも、その理由は? 実態は? そこで書の出番と相成る。 日史を専攻するタフツ大学教授による

    「男色の日本史」書評 正面から向き合い、真摯に分析|好書好日
  • 山本義隆「世界の見方の転換」書評 近代科学が開いた「無限成長」への道|好書好日

    世界の見方の転換 [著]山義隆 経済学を専門とする評者が、なぜ近代科学の道を開いたコペルニクスやケプラーらを扱った書を取り上げるのか。2001年の9・11(米国同時多発テロ)や11年の3・11による東京電力福島第一原発事故に象徴されるように、21世紀は近代システム自体が綻(ほころ)びを見せていると評者は考え、近代成立の原点を理解しない限り、将来を思索できないと思ったからである。 F・ブローデルの提唱した「長い16世紀」(1450〜1640年)には、ルネサンス、宗教改革、大航海、17世紀科学革命など、数々の歴史的大事件が起こっている。しかし、近代の幕開けに際して、これらの関連づけが評者にはいま一つ不明だったが、書を読んでそれらの関連性が明確に理解できた。 キリスト教とアリストテレス自然学で強固に武装された中世の観念を打破するには、近代科学の誕生が不可欠だった。「ルネサンスのパラドックス

    山本義隆「世界の見方の転換」書評 近代科学が開いた「無限成長」への道|好書好日
  • 本の記事 : みなもと太郎の「風雲児たち」 完結まであと50巻? | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    1979年から続く、みなもと太郎さん(65)の大河歴史ギャグマンガ『風雲児たち』。関ケ原の戦いから描きはじめ、潮出版社版から数え通算51巻目となる最新刊『風雲児たち 幕末編(21)』(リイド社)で、ついに「桜田門外の変」にまで来た。前代未聞の大老暗殺事件が、独特のリアリティーで描かれ、幕藩体制の断末魔を告げている。大作も大詰め間近、と思ったら作者は「あと50巻はかかりそう」。えーっ、まだ半分? 「映画テレビで登城する井伊直弼を家来が引き留め、用心を進言する場面をさんざん見てきましたが、ありえません」とみなもとさんはいう。江戸彦根藩邸と襲撃場所は、指呼の間。「外で見張っているだけで惨劇は防げた。なのにやらなかった。なぜか。襲われるなんて、直弼も側近たちも夢にも思っていなかったからです」 マンガでは、水戸浪士ら襲撃者は登城見物の「大名オタク」に紛れて待機する。行列に色めき立ちケータイ撮影する

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    enemyoffreedom
    enemyoffreedom 2013/02/20
    「締めは、明治2年(1869年)の五稜郭陥落と決めてある。「月刊コミック乱」(リイド社)での掲載ペースでいくと、あと30年近くかかる計算だが、果たして」
  • 本の記事 : 中島敦「李陵」、自然な表記の「定本」刊行 山下真史氏 - 吉村千彰 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    『山月記』で知られる作家中島敦(1909~42)が最後に書いた小説「李陵(りりょう)」は、不自然な表記など不備が指摘されてきた。中島の没後70年の昨年、表記や語調、内容を整えた「定」が刊行された。いわばリマスタリング版。題名も、人のメモに残された「李陵・司馬遷」とした。 「李陵」は、匈奴と戦い捕らえられた中国・漢の武将李陵と、李陵をかばったために宮刑をうけた司馬遷の苦悩を描いた名作。 中島敦は42年12月に亡くなった。「李陵・司馬遷」は10月ごろにほぼ完成したとみられる。400字詰め原稿用紙77枚の草稿には、おびただしい加筆訂正があり、言葉が併記された所も50カ所ほどある。浄書は5枚しかなく、草稿にも浄書にも題名はない。死後、中島夫人から託された先輩作家深田久弥が「李陵」と名付けて世に出した。 今回編集したのは、『中島敦とその時代』などの著書がある山下真史中央大教授。「数十回は読んだが

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    enemyoffreedom 2013/01/25
    こういう成果は青空文庫等にすぐに取り込めるものかな(知財としての校正の法的位置づけとか)
  • 本の記事 : 米アマゾン、9月にも電子書籍配信開始 日本向け | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    インターネット通販大手の米アマゾン社は、日国内向け電子書籍配信サービスについて、8月末から9月にかけての開始をめざして最終調整に入った。作品提供を受けることで角川グループと大筋合意。新潮社も提供に前向きだ。講談社との交渉も大詰めを迎えている。電子書籍を読むための端末「キンドル」も国内で発売する。 アマゾンの参入で、国内の電子書籍市場は活性化する。今月、楽天電子書籍端末を売り出したばかり。今後はグーグルやアップルの電子書店の格展開も予想され、国内外の企業による覇権争いは激化する。 アマゾンはこのほど、電子書籍の世界標準規格で、縦書きの日語にも対応できる「EPUB(イーパブ)3」などで作ったファイルをキンドルで読める規格に変換するプログラムを公開。出版社にガイドラインを提供した。 契約交渉でも、価格決定権などをめぐって当初、出版社側が反発していたが、「以前よりもアマゾンが大きく折れてき

    本の記事 : 米アマゾン、9月にも電子書籍配信開始 日本向け | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • 本の記事 : 楽天の電子書籍端末「コボ」を使ってみた! - 林 智彦 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    インターネット通販最大手の楽天が、7月下旬に日へ導入すると報道された電子書籍端末「コボ」はどんな端末なのか。個人輸入した端末を元にレポートする。 「コボ(Kobo)」はカナダに拠を置くベンチャー企業。「book」の文字を入れ替えて名付けられた。アマゾン・キンドルと同様、端末やアプリの名称でもあるが、電子書籍サービス全体を示すサービス名でもある。アマゾン・キンドルが進出していない国を中心に電子書籍ビジネスを展開し、アマゾンの数少ない対抗馬の一つと目されてきた。楽天はコボを2012年1月に買収完了し、日市場への端末・サービスの投入を目指すと公言していた。 核となる読書専用端末は「コボ・タッチ」で、6インチの電子ペーパーを使った製品。米国では2011年5月、129・99ドルで発売された。操作はタッチパネルで行う。 コボは、このほか、7インチカラー液晶の「コボ・ボックス(Kobo Vox)」

    本の記事 : 楽天の電子書籍端末「コボ」を使ってみた! - 林 智彦 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    enemyoffreedom 2012/06/22
    そういえば独自タブレットを日本でも出すと言ってたな。これか