雄と雌で異なる性質の多くは、精巣から分泌される男性ホルモンと卵巣から分泌される女性ホルモンの作用の違いに起因すると考えられてきました。ところが今回、脳とそれ以外の身体の性が異なるキメラ鶏(注1)を作って解析したところ、遺伝的に雄の脳をもった雌鶏では性成熟が遅れて性周期が乱れることがわかりました。この結果は、遺伝的な性に従って神経回路が発達するしくみが雄と雌の脳にあることを示しています。このように、雌の機能の異常が起こる原因として脳の神経回路が関わる新しいメカニズムがあることがわかり、脳の性差解明に新しい道筋を開きました。 (独)国立環境研究所環境健康研究センターの前川文彦主任研究員と北里大学一般教育部および大学院医療系研究科の浜崎浩子教授は、東京医科歯科大学難治疾患研究所の田中光一教授、広島大学大学院生物圏科学研究科の都築政起教授、早稲田大学教育・総合科学学術院の筒井和義教授等との共同研究
![研究成果「雌になるためには遺伝的に雌の脳であることが必要」〜脳を雄に替えた雌では性周期を維持できない〜‐脳の性差解明に新しい手がかり‐|2012年度|国立環境研究所](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f9de1253b60b4c9022ea972faa348cf8ccc28136/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.nies.go.jp%2Fwhatsnew%2F2013%2Fgh5r5k0000079ujt-img%2Fimage001.jpg)