ベストセラーとなっている「吉原花魁日記」を読んだ。いやはや強烈な一冊だ。 作者は森光子という人だが、ジャニーズ好きのでんぐり返り大女優のほうではない。大正13年に19歳で吉原に売られた花魁のリアル日記である。大正15年に、柳原白蓮(筑紫の女王とか大正三美人と呼ばれた歌人。マンガみたいなすごい経歴のオーナー)に認められて、日記が出版。当時も大きな波紋を呼んだのだそうな。 光子はこの日記と続編の2冊を出しているが、その後の消息は不明。この本の著作権継承者も不明となっている。 花魁というと、華やかな感じがするが、つまりは女郎である。群馬の田舎に住む貧しい家の少女が、周旋屋(ブローカー)に「酒のお酌でもしていれば、こんな田舎とは比べ物にならないほどいいメシが喰えて、いい着物が着られる。とっても楽な仕事だよ」と、言いくるめられて吉原に売られるところから始まる。もっとも、親の多額な借金でもはや身動きな