冷酷は時代を超える「吉原花魁日記」 - 深町秋生の序二段日記

ベストセラーとなっている「吉原花魁日記」を読んだ。いやはや強烈な一冊だ。 作者は森光子という人だが、ジャニーズ好きのでんぐり返り大女優のほうではない。大正１３年に１９歳で吉原に売られた花魁のリアル日記である。大正１５年に、柳原白蓮（筑紫の女王とか大正三美人と呼ばれた歌人。マンガみたいなすごい経歴のオーナー）に認められて、日記が出版。当時も大きな波紋を呼んだのだそうな。 光子はこの日記と続編の２冊を出しているが、その後の消息は不明。この本の著作権継承者も不明となっている。 花魁というと、華やかな感じがするが、つまりは女郎である。群馬の田舎に住む貧しい家の少女が、周旋屋（ブローカー）に「酒のお酌でもしていれば、こんな田舎とは比べ物にならないほどいいメシが喰えて、いい着物が着られる。とっても楽な仕事だよ」と、言いくるめられて吉原に売られるところから始まる。もっとも、親の多額な借金でもはや身動きな

[Louis]

「光子はこの日記と続編の２冊を出しているが、その後の消息は不明。この本の著作権継承者も不明となっている」2010年に復刊されたばかりなのか

[honjitsutosan]

戦前北海道の女郎屋の悲惨な話を描いた漫画が頭をよぎったのだけど、タイトルが出てこない。なんだっけ。//「親なるもの 断崖」だ。asin:4776794101 名作。けど、読後は本当に辛いよ。

[NOV1975]

「早く退院したい」他の花魁とこの人の違いはなんだったんだろうか。

[sige1]

花魁の暮らしは悲惨なものであったか否か、というネット上の議論で、「自殺する自由はあったはずだ」という絶望的なコメントを見たことがある。現状維持か死か。この状況が「自由」て……。

[neko73]

"日記を書くことで自分を保とうとした結果、たぐいまれなノンフィクションに昇華しているように思える。"

[norton3rd]

甲子園球場が出来た年（俺の親父の生年の一年前）女郎屋へ売られた人の日記。そんなに昔の話ではないのだ。

[tukaima]

貧困が根にあり、労働問題であると同時に、家族のあり方の問題でもある。周旋屋ばかりではなく母親もまた筆者を口車に乗せた。

[felis_azuri]

当時だって人身売買禁止だし、前借金で縛ることが違法であることも（当時も今も）あまり知られていないようだし。

[nico-at]

森さんその後どうされてるんだろう…

[yomimonoya]

ブコメを読む限り「遊郭」の実態というもの、一般の間ではさほど知られてはいないのね……と思い知らされた。（下であげてる人もあるけど）これでは従軍慰安婦の実態が想像できないわけだ。

[mokkei1978]

「吉原花魁日記」。"女版「蟹工船」という内容だが、特筆すべきは、まず書くことで誰よりも自分自身が救われたいという切迫感がみなぎっている点"

[custardtarte]

時代小説で描かれる通俗的な吉原は、所詮男にとって都合の良い美化されたイメージでしかないということ。時代小説好きなんだけど自分の見方は浅かった。そして平時でこうなら戦時の従軍慰安婦は？と連想してしまう。

[kowyoshi]

そのうち「こうのさんでコミカライズを」という声があがると思うけど、安易な形ではやって欲しくない

[y-mat2006]

たぶん、フロムダ先生とか池田ノビー先生とかは、こんな本を読んで時間を無駄にはしないんだろうなあ。