エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
- バナー広告なし
- ミュート機能あり
- ダークモード搭載
関連記事
オニオンパイ - 空中キャンプ
アメリカの作家、ポール・オースターは、自らの貧乏だった過去について書くことが得意で、それはほとん... アメリカの作家、ポール・オースターは、自らの貧乏だった過去について書くことが得意で、それはほとんど芸の域にまで達している。彼の貧乏話にはふしぎなユーモアがあり、どこか心やすらぐ要素がある。かつてそこを通り、さんざん苦労をし、ようやく抜け出すことができた湿地帯のような場所。われわれは、まちがっても自分が貧しくはなりたくないと、転落の恐怖におののき、そうならないことを一心に祈りながら、同時に貧しさを愛でている。 最悪だったのは冬の暮れから初春にかけてである。小切手はなかなか来ないし、犬は一匹さらわれてしまうし、台所にしまった食物の蓄えもじわじわ減っていった。ついには玉ネギ一袋とクッキングオイル一瓶、そして前に誰かが買ったパイ皮一箱(私たちが越してきたときからあった、前年の夏の侘しい名残り)を残すばかりとなった。Lと私は午前中ずっと持ちこたえた。午後に入ってもなお頑張ったが、二時半に至ってついに
2009/01/01 リンク