金利上昇、財政赤字懸念、金融当局者のタカ派的な姿勢が重なる状況にあって債券市場のほぼあらゆる分野が痛手を受けているが、投資家に2桁のリターンをもたらしている債券がある。カタストロフ(CAT)債だ。 400億ドル(約5兆9400億円)規模のCAT債市場の投資家は、「嵐」には巻き込まれず今年は最大16%の高リターンを得ている。債券の仕組み上、米国債利回り上昇に伴って表面利率は上昇基調にあり、大災害が発生しない限り、投資家は投資資金について相当なリスクプレミアムを確保できる。 このダイナミクスに着目する資産運用会社や発行体は増えている。スイス・リーで欧州とアジアのCAT債案件の組成を担当するアンディ・パーマー氏によると、1-9月の発行額は前年同期比27%増の102億ドルに達した。同氏は市場のムードを「活況」と表現する。 Catastrophe Bonds Outperform Other Deb