金融市場異論百出 株、為替のように金融市場が大きく動くことは多くないが、金利の動向は重要だ。日本を代表する日銀ウォッチャーが金融政策の動向を分析、金融政策の動向を予測する。 バックナンバー一覧 3月11日の金融政策決定会合後の記者会見で、日銀の黒田東彦総裁は、追加緩和策の必要性は今はないことを改めて強調した。 2013年度の成長率は日銀予想を下回りそうだが、日銀は「前向きな循環メカニズムは働いている」とアピールしている。失業率は構造的失業率(3%台半ば)に近い3.7%に下がっており、いずれ人手不足が物価を押し上げ、2%のインフレは15年度中に達成されるという。とはいえ、現時点の物価上昇は「よいインフレ」とはまだ見なせない。円安によるコストプッシュ型だからである。 1月の消費者物価前年比を米、独、日で比較してみよう。総合指数はそれぞれ+1.6%、+1.2%、+1.4%。うち、賃金の上昇が反映