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ブックマーク / honz.jp (11)

  • 日本の競輪、その特殊性と、だからこその魅力についてを英国人記者が語る──『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』 - HONZ

    の競輪、その特殊性と、だからこその魅力についてを英国人記者が語る──『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』 この『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』は、英国人記者が語る日の競輪論である。日でどのように競輪が生まれ、育ち、危機を乗り越え、そして日ならではの独特な魅力はどこにあるのか、それを一冊を通して語り尽くしていく。 それにしても、なぜ英国人記者が日の競輪を語っているんだと疑問に思うかもしれない。その理由は簡単で、著者のジャスティン・マッカリーは日研究で修士号を取得し、読売新聞で編集者や記者として活躍。その後ガーディアンに入社し日特派員として活動する、日在住歴が30年にも及び、同時に競輪の熱狂的ファンだからだ。 書の「はじめに」は2017年に平塚競輪場で行われた日競輪最高峰のレースKEIRINグランプリの描写からはじまるが、その熱量ある文章は競輪

    日本の競輪、その特殊性と、だからこその魅力についてを英国人記者が語る──『KEIRIN: 車輪の上のサムライ・ワールド』 - HONZ
    esbee
    esbee 2023/07/26
    異文化だからこそ客観的にみれるわけで、文学部で海外を研究する意味はここにある。そして自分たちの文化を自分たちの言葉で語り受け継ぐために、文系学部の存在意義がある。そんなもの不要という人も多いらしいけど
  • 昆虫がいま、消えつつある──『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』 - HONZ

    この『サイレント・アース』は副題に入っているように、殺虫剤や農薬などの化学物質の危険性を訴えた「沈黙の春」の昆虫をテーマにした現代版とでもいうべき一冊だ。 著者によれば、いま世界から昆虫の数が急速に減少しつつあるという。温暖化など環境の変化もあるうえ、森林の伐採など問題は絶えないから、昆虫の数が減っていること自体に違和感はない。では、具体的に何が原因で昆虫は減っているのか? 気候変動の影響? 農薬や殺虫剤の影響がいまなお残っているのか? その全部が複合しているのか? そもそも、昆虫の数は数はあまりに多いので正確に把握されていないとよくいわれるが、数が減っているのは当なのか──など、昆虫の現在の苦境を中心軸において、無数の問いかけを書では扱っていくことになる。 昆虫がいなくなると何が問題なのか? 昆虫が消えてなにか問題があるのか? と思う人もいるかもしれない。蚊やゴキブリが消えたらせいせ

    昆虫がいま、消えつつある──『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』 - HONZ
    esbee
    esbee 2022/09/05
    虫好き生き物好きにはそれらを守るのは理屈抜きに当たり前、なんだが、そういう前提がない人にどうやって理解と協力を求めるか?ということも考えないとなーと。とりあえずうちの子どもが生き物好きになるといいな
  • ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓 - HONZ

    「人間を生き残らせた出来の悪い足」という副題と、次の瞬間にはネコ科大型獣の餌になるという惨劇を予想させる表紙カバーの絵に興味を引かれて、ふと手に取ったでした。序論と第一章では、二足歩行に対するわれわれの思い入れの強さが指摘されていて、ぐっと内容に引き込まれました。ところが54ページまで読み進めたところで、重大な問題にぶつかってしまったのです。そこにはこう書いてありました。 キリストトカゲにせよヴェロキラプトルにせよ、二足歩行の利点とは要はスピードだと思われる。ゴキブリでさえ、非常時には二足で立ち上がって全速力で走る。 「ちょっと待て!」とわたしは思いました。ゴキブリは短距離ならば飛びもするし、普通でさえ、かなりのスピードでササササと走りまわりますよね。そこからさらに速度を上げるために、よりによって二足で立ち上がって走ると!? いやいや、それはありえないでしょう。 第一に、ゴキブリの

    ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓 - HONZ
    esbee
    esbee 2022/08/18
    板垣恵介先生はすごいということが証明されてしまったわね……!
  • 『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ

    「その悩み、○○学ではすでに解決しています」みたいなタイトルのを見かけることがある。あなたが日々の仕事で直面する悩みや課題は、すでに最新の学説や理論で解決済みですよ、というわけだ。 だが当にそうだろうか。最新の学説や理論を応用すれば、世の中の問題はたちどころに解決するものだろうか。 著者は政治学を専門とする大学教授である。「話すも涙、聞くも大笑いの人生の諸々の事情」があって、47歳にして人の親となった。小学校のママ友やパパ友のほとんどは干支一回り以上年下だ。そんなママ友からある日「相談があります」と呼び出され、いきなりこんなお願いをされた。 「来年、PTA会長になってくれませんか?」 まさに青天の霹靂だ。驚いた著者は必死に出来ない理由を並べ立てる。「フルタイム・ワーカー」だから無理!「理屈っぽくて、短気で、いたずらにデカいジジイ」だから無理!ところがママ友は決してあきらめず、最後は情に

    『政治学者、PTA会長になる』これぞ街場の民主主義!政治学者が世間の現実と向き合った1000日の記録 - HONZ
    esbee
    esbee 2022/05/24
    サラリーマンこそ読んだほうが良さそうな内容だな『変わることがもたらす不安に怯え、お手本や前例がないことに恐れを抱く。こうしたオペレーター型の人の心情を理解せず』
  • 『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』は、こわいもの知らずのぶつかり稽古だ! - HONZ

    『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』は、こわいもの知らずのぶつかり稽古だ! 自民党総裁選のニュースが連日報じられている。前回に比べれば、四人が立候補して政策論戦が交わされているのは望ましいことだ。しかし、報道はいつもどおり、政治内容そのものよりも政局に偏っている。政治は何のためにあるのか。それこそが重要問題であるはずなのに、真っ正面から問われることはあまりない。 ライターの和田靜香が、立憲民主党の衆議院議員である小川淳也にそれを問う。ん?誰やねん、その和田靜香と小川淳也って?と思う人がほとんどだろう。失礼ながら、確かに有名とは言いがたい。だからといって、面白くないとは限らない。それどころか、これほど活き活きして、わかりやすく、そして、魂に触れる政治対話はこれまでに読んだことがない。 和田靜香は湯川れい子のアシスタントになったのをきっかけに音楽ライターに

    『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』は、こわいもの知らずのぶつかり稽古だ! - HONZ
  • 物語はいかに、どれほどこの世界に影響を及ぼしているのか──『物語創世──聖書から<ハリー・ポッター>まで、文学の偉大なる力』 - HONZ

    物語はいかに、どれほどこの世界に影響を及ぼしているのか──『物語創世──聖書から<ハリー・ポッター>まで、文学の偉大なる力』 物語とは、いったいどれほどの力を持っているのか? ギルガメッシュ叙事詩や『イリアス』のように、時に偉大な物語は人々の文化の「基盤」となって、行動や思考に大きな影響を与えることがある。 基盤テキストとはなにか 書では、そのような世界に対して強い影響力を持つ物語のことを「基盤テキスト」と呼称している。その格好の一例は聖書だ。たとえば、アポロ計画二度目の有人宇宙飛行ミッションにあたるアポロ8号が、月の周回軌道を回っている時に、聖書の『初めに、神は天地を創造された』から始まる10節を、何十億もの地球の人々へ向けたメッセージとして読み上げた。 しかし、アポロ八号が教えてくれた最も大事なことは、聖書などの基盤テキスト(foundational text)がいかに強い影響力をも

    物語はいかに、どれほどこの世界に影響を及ぼしているのか──『物語創世──聖書から<ハリー・ポッター>まで、文学の偉大なる力』 - HONZ
  • とてつもなく変態で、ありえないほど文章がうまい──『動物になって生きてみた』 - HONZ

    どうやったら、我々人間は動物の感覚にもっと近づくことができるのだろう。たとえばアナクマのように巣穴で眠り、森を徘徊して獲物を物色する。たとえばカワウソのように水辺に住んで魚やザリガニをべて生き、ツバメのように空を飛び、糞を撒き散らす。そうやって動物たちと同じように生きたら、彼らがみている世界を追体験できるのではないだろうか? そんな、言っていることはわからないでもないが自分でやろうとは思わないことをまともにやってしまった狂人が、書の著者であり、2016年のイグノーベル賞の生物学賞を受賞したチャールズ・フォスターである。狂人とは言い過ぎで、著者に対する敬意を欠いているのではないか? と思うかもしれないが、この記事を読み進めてもらえればその事実が把握いただけると思う。 人間とキツネなど他の動物たちとの間には境界があると著者はいう。それは当然だ。我々はキツネと子どもを作ることはできないし、カ

    とてつもなく変態で、ありえないほど文章がうまい──『動物になって生きてみた』 - HONZ
    esbee
    esbee 2017/09/05
    これは……ヤバい感じが。読んでみよ
  • 音による宇宙史の記録──『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』 - HONZ

    作者:ジャンナ ・レヴィン 翻訳:田沢 恭子、松井 信彦 出版社:早川書房 発売日:2016-06-16 書は発売(6/16)とほぼ同日に重力波2度目の観測成功が発表され、即日で重版が決まったというあまりにも出来過ぎな1冊だ。とはいえ単なる偶然と片付けるのも味気ない。これは、人類がこれまで観測できなかった「音」が宇宙に満ちている1つの「確証」であるのかもしれない。 もう少し具体的に紹介すると書『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』は重力波発見に至る経緯、検出のための観測所を組みあげるため奮闘した科学者たちの人生を通して、重力波が満ちている宇宙を解き明かしていく一冊である。重力波について現時点での絶好の入門書であるし、最初は実在すら危ぶまれる中、重力波の存在にキャリアを賭けた科学者らのどこか不器用な政治的駆け引きと確執を含んだドラマとしても素晴らしい。 書は、重

    音による宇宙史の記録──『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』 - HONZ
  • 真実はひとつ。人はそれにたくさんの名前をつけて語る──『千の顔をもつ英雄』 - HONZ

    果たして、英雄に惹きつけられない人がいるだろうか? といえば、もちろんいるにはいるのだろうが、大抵の場合英雄とは憧れ、理想的な対象として存在している。神話におけるヘラクレス、あるいは仏教におけるブッダ、アーサー王にイエス・キリスト。神話クラスの人間でなくとも数十数百といった年数を語り継がれてきた民間伝承やお伽話には数限りなく人間の弱さを克服し前に進む英雄の姿が描かれている。 個々の作品に対する好悪や、英雄が理想像であるかどうかは人によって様々としても、それらは多くの人間を惹きつけてやまないからこそ生き残り続けてきたのだ。しかしなぜ、どのような理由が人を英雄に惹きつけるのだろう。そこには数式のようにきっちりとしたものではないにしても、普遍コードのような物が存在しているのであろうか。 書『千の顔を持つ英雄』は、スター・ウォーズの生みの親ジョージ・ルーカスがその著作に影響を受けていることを表明

    真実はひとつ。人はそれにたくさんの名前をつけて語る──『千の顔をもつ英雄』 - HONZ
    esbee
    esbee 2016/01/03
    読まないとなと思いながら幾星霜
  • 一つを極めれば、他は自ずと理解できる『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法』 - HONZ

    一つを極めれば、他は自ずと理解できる『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法』 趣味でも仕事でもいい。 長く一つのことを継続的に行なっていると、そこで覚えた技術、感覚、発想などがよく似た別の分野や、あるいはまったく異なる場面でも「応用」できることに気がついたことがないだろうか。 自分の例を出せば、長年レビューを書いてきた経験が、職であるWebプログラムの問題解決や、設計思想に影響を与え、逆にプログラムを学んだことがレビューで情報をどのように整理し、展開すべきなのかのヒントにもなることが何度もあった。これまではそうしたショートカットを「ラッキィ」という程度にしか捉えていなかったが、書を読むとそうした「ラッキィ」な状態を意図的に引き起こすことができるのだと理解できるようになった。 書『習得への情熱』は、かつて映画『ボビー・フィッシャーを探して』のモデルとなり、

    一つを極めれば、他は自ずと理解できる『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法』 - HONZ
    esbee
    esbee 2015/08/25
    これは読んでみたいが三千円かーと思ってたらAmazon売り切れてた。すげーな
  • 抱腹絶倒!ただの変人か、南方熊楠の再来か?『裏山の奇人』 - HONZ

    生き物に魅せられた怪しい男が、近所の裏山から地球の裏側までを徘徊する 変質者に対する注意喚起の看板ではない。れっきとした大学出版会が出したの帯に記載された宣伝文である。 しかもタイトルが『裏山の奇人』。「怪しい男」であり「奇人」でもあるその人こそ、書の著者・小松貴氏。アリと共生する生物・好蟻性生物の研究者で、『アリの巣の生きもの図鑑』の著者の一人でもある。(土屋敦の絶賛レビューはこちら。) 書は、卓越した自然観察眼の持ち主である著者が、さまざまな生きものたちと対等な目線でつきあう、いうなれば「現代の南方熊楠活動記」、もしくは「日版ソロモンの指輪」。描かれる生きものたちとの関わりは、抱腹絶倒の短編エッセイ集のようでもある。 2歳にしてアリヅカコオロギを同定し、小学生にしてスズメバチが飛んできて餌をねだるようになるまで手なづける。大学の裏山では夜の森で生きものたちを待ち伏せし、目の前で

    抱腹絶倒!ただの変人か、南方熊楠の再来か?『裏山の奇人』 - HONZ
    esbee
    esbee 2014/08/20
    『昆虫はすごい』おもしろかったので、こちらも早く読もう。/何かに熱中している人間はかっこいいのだ
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