民俗学はへんな文化の現在状況をなるべく触らずに調査して状態を明らかにする学問だと思う。 学者に帯同して調査手法や心得の実際に触れた上でそのように思っているのだけど、この学問の究極の目的はなんなの? と聞いてもはっきりした答えがない。おそらく内部的に一番重視されてるのは学者自身の好奇心の追求なんだけど、その好奇心が究極的に何をみているのかが言語化されていないという印象がある。 オレは民俗学はぜんぜん畑違いで、あえて言うなら生物屋というか進化屋で機械屋なんだけど、そういう視点で見ると、あれは「人間」というモデルを作るための境界条件を拾ってるように見える。 彼らは何らかの文化現象に興味を持ち、その全貌を明らかにしようとする。調査方法はわれわれとたいへん似てて、対象をまず観察し、要素を取り出してその由来を調べ、あるいはその分布と年代を明らかにする。ただここがかなり違うんだけど、各文化現象は特異なも