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ブックマーク / www.10plus1.jp (5)

  • 21世紀に「制作」を再開するために──ボリス・グロイス『アート・パワー』、中尾拓哉『マルセル・デュシャンとチェス』ほか

    21世紀に「制作」を再開するために ──ボリス・グロイス『アート・パワー』、中尾拓哉『マルセル・デュシャンとチェス』ほか マルセル・デュシャンの《泉》、2017年はこの男性用小便器がニューヨークの展覧会場に運び込まれスキャンダルとなった1917年から100年めにあたる。既製品をそのまま作品とするレディメイドとして知られ、20世紀美術に最も大きな影響を与えたと言って過言ではないものだが、こうした《泉》を含めたデュシャンによるインパクトの余波はあまりにも大きすぎるがゆえに、もはや現代美術の世界ではひとつの「環境」となっており、これを対象化して捉えること自体が難しい。 デュシャン・インパクトが20世紀以降の美術を不可視な仕方で規定しているとするならば、《泉》100周年という節目を1年間という有効期限つきの単なるスローガンとして消費するのではなく、デュシャン以降の現代美術のありようを改めて捉え直し

    21世紀に「制作」を再開するために──ボリス・グロイス『アート・パワー』、中尾拓哉『マルセル・デュシャンとチェス』ほか
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    etcet3 2018/01/02
    “「新しさ」と「差異」とを区別したうえで、差異には「認識できる差異」と「差異を超えた差異(認識できない差異)」とがある”
  • 地上の唯物論(石川初『ランドスケール・ブック──地上へのまなざし』書評)

    〈場所〉についてのである。 どこでもよいのだが、あるときある場所にいた、としてみよう。あたりをただぼんやり見ているかぎりでは日常的な光景が目に映るばかり。しかしさまざまに具体的なフォーカスをもって見ていけば気がつかなかった事物のつながりが見えてくる。求めよ、さらば与えられん、というわけだ。そこには一定の一般性が観察され、また多かれ少なかれ固有性が見出される。その一般性は世界の成り立ちをあらためて確認させ、その固有性はその場所特有の来歴と可能性を端的に示してくれるだろう。 ある場所のリアリティは、それを読み取るリテラシーによって豊かになるのだ。 そうしたことに触れることはとても面白いし楽しい。その面白さ自体についてはあえてつべこべ言うまでもないだろう。 実は書は評者に『アメリカン・ボーイズ・ハンディブック』というを思い起こさせる。20世紀初頭にアメリカでベストセラーになった少年のための

    地上の唯物論(石川初『ランドスケール・ブック──地上へのまなざし』書評)
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    etcet3 2017/07/08
  • まちづくりと「地域アート」──「関係性の美学」の日本的文脈

    自走するゾンビとオルタナティヴなプラットフォーム 星野太氏 星野──地域に根ざしたオープンエンドな作品の氾濫や、若いアーティスト、ボランティア、一般の参加者にいたるまでのさまざまな「やりがいの搾取」が行なわれている状況下で、「関係(性)」がそれを正当化するための有効な概念に思われたという側面があると思います。特に、美術批評の影響力が次第に弱まっていった90年代後半から00年代にかけて、「関係性の美学」という言葉そのものがひとり歩きし、次第に脚光を浴びることになった。 この問題を考えるためには、ヨーロッパで「関係性の美学」がどう認知されているかということを踏まえておく必要があると思います。ちょうど最近、ポンピドゥ・センターで行なわれている大規模なマルセル・デュシャン展を見る機会がありました。そのときコレクション展も一緒に見てきたのですが、1980年代から今日までの現代美術の流れを紹介するフロ

    まちづくりと「地域アート」──「関係性の美学」の日本的文脈
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    etcet3 2014/12/03
  • 「ショッピング・ガイド」へのガイド

    Rem Koolhaas, Judy Chung Chuihua, Jeffrey Inaba, Sze Tsung Leong 『The Harvard Design School Guide to Shopping: Harvard Design School Project on the City』 2002年4月発行 Taschen 定価:$50.00 ISBN:3822860476 800頁 レム・コールハースの指導するハーヴァードの大学院の都市研究シリーズ「PROJECT ON THE CITY」の第2巻である。第1巻の『Great Leap Forward』と題する中国ものは『10+1』誌の連載の次回でとりあげることにしたのでさほど間がなく出るから、それと併わせて読んでいただけると著者たちの文脈が了解しやすいかもしれない。 この「ショッピング・ガイド」は「公共的活動の最後の

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    etcet3 2013/07/14
  • 生命の渦──武蔵野美術大学 美術館・図書館

    桜の並木に沿って近づくとき、この建物のわずかに屈曲した外壁をなす書架を覆ったガラスが周囲の風景を反射して映し出す。ガラス張りの大きな開口部を通して、内部の巨大な書架の連なりやキャットウォークが視界に入ってくる。まなざしは内外の境界をはっきりと定められずに前後左右に泳ぎ、その揺らぎを楽しむ。外壁のガラスを固定する金物が視線の運動を適度に留める点となって、その揺らぎを混乱にまでは陥らせない。 内部では、幅900mm×高さ310mm×奥行き230mmの棚を基単位とする書架のレイヤーが天井まで積み重なった「書架の壁」が渦巻き状に配置されている。一定の高さ以上には書籍が置かれておらず、まったく空の部分が多いため、書架それ自体の存在が際立つ。外壁側の不燃処理された木材よりも色調が薄い内部書架の壁は、半透明の白いポリカーボネート板を通して差し込んでくる柔らかな光と調和している。書架の壁には開口部がさま

    生命の渦──武蔵野美術大学 美術館・図書館
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    etcet3 2013/07/14
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