1.はじめに 情報技術(ITという言葉が一般にまで定着してしまった)がすさまじい勢いで我々の活動に浸透してきている。機械設計の現場も同様で、しばらく前には「3次元CADなんか手間がかかるだけで使い物にならない」と言っていた会社が何時の間にか「今は3次元CADの時代だ」などというように変わってきている。実態はどうなのか、情報技術の現場はなかなかわからない。工作機械の加工性はすぐに把握できるが、CADシステムの能力は簡単にはわからない。 私は、30年ほど前に3次元モデリングの研究を始め、それから数年経って実用的なCAD/CAMシステムを初めて見せてもらった。日本で最初に稼動したという航空機設計に応用されているシステムで、当時の超大型計算機で動いていた。複雑な機体の3次元構造図面が次々と示され、もちろんこれは図面だけですよ、と念を押されていたにもかかわらず、そんなはずはない、3次元情報も