南極大陸で、調査のために氷を切り出す研究者(2001年1月1日撮影、本文とは関係ありません)。(c)AFP 【4月20日 AFP】光も酸素もない南極の氷河の下で、数百万年前の生態系が維持されている。――米モンタナ州立大学(Montana State University)などによる研究結果が、17日付けの米科学誌「サイエンス(Science)」に発表された。 研究チームは、南極大陸東部のテイラー氷河(Taylor Glacier)の下から流れ出している「血の滝」と呼ばれる、鉄分を多く含む赤褐色の水を調査した際にバクテリアを発見した。氷河下の冷たく塩分豊富な環境に生息するこうしたバクテリアは、体内の硫黄化合物やイオン化合物を使って生きていくことで環境に適応していた。 また、テイラー氷河下の塩水たまりは、平均水温がマイナス10℃であるにもかかわらず、塩分濃度が海水より3-4倍高いために凍らない