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  • ミソジニー論客たちのエコーチェンバー - 道徳的動物日記

    お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門 作者:北村 紗衣 文藝春秋 Amazon 大して話題になっている問題でもないが、つい気になってしまってTwitterで言及してしまったので、ブログのほうでも考えを残しておく。 togetter.com 上記のTogetterにもまとめられているように、2月25日から、山内雁琳 (@ganrim_)が北村紗衣の単著『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』に記載されている「歴史修正主義」に関する記述について批判を行うツイートをしている。 Togetterには載っていないが、発端は、高橋雄一郎弁護士による以下のツイート。 北村紗衣「お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード」(文藝春秋)読了。映画音楽演劇と凄まじい量の前提知識を要求する。検索しつつ読むのが大変。p91に「歴史修正主義というのは来、新史料の発掘や再解釈によってこれまでの

    ミソジニー論客たちのエコーチェンバー - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2023/02/27
    この議論を知りませんでしたが、丁寧な批判でさすがライス氏。文中にもあるように、ディフェンス作業は手間だけあってもらいが少ないのが厄介ですが、そこをめげずにこうして誠実にまとめる仕事はほんと尊敬します。
  • ネット論客がインテリから相手にされない理由 - 道徳的動物日記

    davitrice.hatenadiary.jp (6月23日 21:45追記) 最初のタイトルには個人名を入れていましたが、記事のタイトルを「(個人名)が〜から相手にされない理由」にすることはあまりに個人攻撃的に過ぎるという指摘を受けて、同意しましたので、タイトルを修正しました。 (追記終わり) 先日にわたしが投稿した、御田寺圭の著書『ただしさに殺されないために~声なき者への社会論』への書評記事にはブクマやSNSなどで様々な反応があった。全体的には賛否両論という感じ。 みんなの反応を見て、反省すべきと思ったところはふたつ。 まずは、書評のタイトルと実際に論じている内容にズレがあり、ややミスリーディングになってしまったことだ。書評のタイトルを見ると「不都合な現実に対する解決策が書かれていないこと」が問題であると論じているように思われしまうかもしれないが、実際には、「提示される"不都合な現実

    ネット論客がインテリから相手にされない理由 - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2022/06/24
    言及していただいてて驚きました。/ライス氏と白饅頭氏は実は問題意識としては共通してる部分はあると思うので、こっそり二人が協力して活躍するジャンプ展開を夢見てるのですが残念ながら難しいのですかね。。。
  • 「世の中の理不尽さ」や「不都合な真実」を強調して、それでどうするの?(読書メモ:『ただしさに殺されないために』) - 道徳的動物日記

    ただしさに殺されないために~声なき者への社会論 作者:御田寺圭 大和書房 Amazon いま執筆を進めている「反ポリコレ」の参考になるかと思って『ただしさに殺されないために〜声なき者への社会論』を読んでいるけれど、案の定、まったく面白くない。 Amazonレビューにもある通り、「身もふたもない現実」や「不都合な真実」、世の中に存在する残酷さや不条理さを指摘するだけであり、その現実や不条理さについて社会はどう向き合うべきか、個人はどうやって対処するべきか、といった前向きな提言や解決策はほぼない*1。 さらに言うと、こののなかで提示されている「現実」や「真実」は実に恣意的に選択されている。たとえば、昨今では男性に比べて女性だけが解放されたり社会的に尊重されていたりすることを何度も取り上げて、そのことが(弱者である)男性に対してもたらす苦痛や苦悩や理不尽さといったものが繰り返し強調されるが、

    「世の中の理不尽さ」や「不都合な真実」を強調して、それでどうするの?(読書メモ:『ただしさに殺されないために』) - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2022/06/17
    ここまで御田寺氏や熊代氏の論説を辛辣に批判しておきながら、具体的な引用のひとつもないのはライス氏が自負する論理的な批評たり得ないのでは。ソフィスト呼ばわりも人身攻撃的で、それこそ感情的な批判でしょう。
  • 「正しい」議論と「優しい」議論 - 道徳的動物日記

    とある雑誌に依頼を受けて文章を書き出したはいいものの、批判対象を明示せずにふわっとした印象に基づいてレッテルを貼ってぐちぐち論難する文章になっていき、書き進めているうちに自分でウンザリしちゃったのでボツにして雑誌のほうはまったく異なるトピックや構成でイチから書き直すことにしたんだけれど、それはそれとして、せっかく途中まで書いたのを捨てるのも勿体無いのでこのブログに掲載することにした。 内容としては、とにかくわたしがイラつかされている議論とか風潮とかを一緒くたにしてまとめて非難する、というもの。最近に限らず以前からなんだけれど、屋に行って『現代思想』とか『文藝』とかを立ち読みするたびにいつもイライラしながら帰ることになっているので、そのあたりのストレスをこの文章に託した。おかげで多少はスッキリしたので明日から書く文章はもっとまともで生産的なものになると思う。 ※ 人が社会のなかで生きていく

    「正しい」議論と「優しい」議論 - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2022/04/11
    論としてはたしかに粗いなと思いつつも、切り口は面白いですし、御本人も「イライラして書いたボツ原稿」と述べてるように、感情を制御することの大切さを伝えるためにUPしてくださったのだと思う。
  • 公正価格の誤謬、「ホモ・エコノミクス」批判批判(読書メモ:『資本主義が嫌いな人のための経済学』③) - 道徳的動物日記

    主義が嫌いな人のための経済学 作者:ジョセフ・ヒース NTT出版社 Amazon ● 第7章「公正価格の誤謬」から。 あえて私の考えを言えば、左派または人類の味方とすら辞任する御仁にとって、豊かな工業化社会で住をあがえない人がいるのはいるのは許しがたいことだ。それだけなら問題ない。だが、ここで二つの大きく異なる見方がある。中をあがえない人がいるなら、問題はこれらが高すぎるか、お金が足りない人がいるかのどちらかだ。同様に、問題の解決法は二つある。一つ目は価格を変えること、二つ目は国民の収入を補うことだ。だが、なぜか二番目の選択肢は見過ごされる傾向がある。そのため「公正価格の誤謬」とでも呼ぶべき論考パターンができあがる。再分配の様式に生じる不公正の直接の原因は価格だからと、給付金の効果を無視するものである。 (p.175) この章でヒースが指摘するのが、左派による「公正価格の誤謬」は電

    公正価格の誤謬、「ホモ・エコノミクス」批判批判(読書メモ:『資本主義が嫌いな人のための経済学』③) - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2022/03/17
    "「ホモ・エコノミクス的な人間観を持っている人」を探すことは難しい。"←観測範囲が違うのかもですが、「アイツらは所詮お金目当てだ」「待遇が悪いから人が集まらない」などと言う人いっぱいいるような。
  • 賃金と「社会の認識」は関係あるのか?(読書メモ:『資本主義が嫌いな人のための経済学』②) - 道徳的動物日記

    主義が嫌いな人のための経済学 作者:ジョセフ・ヒース NTT出版社 Amazon 『資主義が嫌いな人のための経済学』の第10章のテーマは「同一賃金」であり、「貧困に対策するためには最低賃金を上げなければいけない」や「男女の賃金格差を是正するためには、女性が多い仕事の賃金を上げなければいけない」といった、左派が提唱しがちな主張が批判されている。 また、このから10年以上後に出版されたデビッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブ』やマイケル・サンデルの『実力も運のうち』、それらの著者が論じているような「エッセンシャル・ワーカーの賃金を上げよ」論に対する批判としても成立する議論とみなせるだろう。 まず、ヒースは、右派の人々は市場は「自然的正義」という見方をとっていたことを指摘する。「競争市場でならば、稼ぎ手が組織にもたらす価値とまったく同等な賃金を各労働者に振り当てられると期待できた」(p

    賃金と「社会の認識」は関係あるのか?(読書メモ:『資本主義が嫌いな人のための経済学』②) - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2022/03/17
    "メリトクラシーの規範を内面化している人なんてほとんど見たことがない。"←観測範囲の違いかもしれませんが、「しっかり稼いでいっぱい納税して社会貢献してるのに報われない」とか言う人いっぱい居るような。
  • 資本主義から逃れることはできるか?(できません) - 読書メモ:『資本主義だけ残った』 - 道徳的動物日記

    主義だけ残った――世界を制するシステムの未来 作者:ブランコ・ミラノヴィッチ みすず書房 Amazon 『資主義だけ残った』では、アメリカを代表とする「リベラル能力資主義」と中国を代表とする「政治主義」、現代の社会に存在するふたつの形の資主義を比較しながら、それぞれの成り立ちや特徴や未来予想図が論じられたりする。 先日に紹介した『自由の命運』や、あるいはフランシス・フクヤマの一連の著作など、英語圏で出版される経済史や文明論では「リベラルで民主主義的な社会は、抑圧的な社会や権威主義的な社会より正しくて望ましい」という規範論が前提とされてしまいがちだ*1。そのために中国のような非民主主義的な国家の経済成長やその他の方面での躍進が予測できなかったり、「一過性のものであって、リベラルな民主主義に移行しない限りは崩壊するに決まっている」と願望込みの予測が述べられたりするようになってしま

    資本主義から逃れることはできるか?(できません) - 読書メモ:『資本主義だけ残った』 - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2021/08/01
    さすがの詳細な書評、ありがとうございました!見た限りなんとなく「資本主義リアリズム」を語ってるだけの本なのかなあとも感じますね。結局のところ、脱資本主義論との最大の争点は「人間観」なのでしょう。
  • 社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記

    anond.hatelabo.jp 普段ははてな匿名ダイアリーの投稿にはあまり反応しないのだけれど、最近の事例についてはいろいろと思うところがあるので、昨日にTwitterに下記のような投稿をした。 社会的制裁を生み出すような道徳感情は集団や社会の秩序を維持したりするうえでは不可欠なはずであり、社会的制裁が望ましい結果を生み出すこともあるけれど、法律的な制裁と違ってコントロール不可能でありいつ望ましくない結果が出るのかもわからないので、原則的に「社会的制裁はよくない」とすべき https://t.co/xyqyMgRvhh— デビット・ライス (@RiceDavit) 2021年7月18日 "「正しい怒り」と「正しくない怒り」が存在するという考え方は、ただちに「自分の怒りは正しいが、あいつの怒りは正しくない」という発想に結び付くことは火を見るよりも明らかだ。" ネットリンチとかpublic

    社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2021/07/19
    こうしたメタな視点はとても大事。支持します。ネットによって急速に世の中が「村社会化」した結果、「魔女狩り」が横行してることに危機感を覚えます。「魔女狩り」は冤罪を起こすだけでなく量刑も誤りやすい。
  • 「共通善」で問題が解決できるなら苦労はしないよ(読書メモ:『実力も運のうち』①) - 道徳的動物日記

    実力も運のうち 能力主義は正義か? 作者:マイケル サンデル 発売日: 2021/04/14 メディア: Kindle版 「能力主義」に対する批判には、二つのパターンが考えられる。「不徹底な能力主義」に対する批判と、「能力主義」そのものに対する批判だ。 学問的なものにせよインターネットなどにおける世俗的なものにせよ、能力主義に関する昨今の議論でなされている批判の大半は、「不徹底な能力主義」に対する批判である。 この批判は、「能力主義は出自や属性に縛られずに自分の意志と努力と才能で自分の人生を決定するチャンスを人々に与えるのであり、機会の平等を保証して、社会の流動性を高めるものだ」という主張に対して、「実際には能力主義の社会でも人々は出自や属性に縛られており、生まれ落ちた環境や場所によって人々の人生はあらかた決定されている」、という事実を突きつけるものだ。 たとえば、アメリカでは大学受験は階

    「共通善」で問題が解決できるなら苦労はしないよ(読書メモ:『実力も運のうち』①) - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2021/04/26
    丁寧で力の入った書評で圧巻。サンデル氏の主張は、「共通善」で問題が解決できるなら苦労はしないけれど、苦労してでもそれを目指すしかないという苦渋の結論のように読みました。
  • 道徳と恋愛は相性が悪い - 道徳的動物日記

    道徳形而上学の基礎づけ (光文社古典新訳文庫) 作者:カント 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 先日に「性的モノ化」についてあーだこーだ書いたが、それと関連しているかもしれない内容。 フェミニズムとかジェンダー論とかが市井に浸透して、男性たちもそういう考え方を学ぶことによって生じている副作用とか弊害とかのひとつが、「性愛や女性との関わり方に関する道徳を学んで実践することで、女性と仲良くなったり女性からの信頼を得られたりすることができる」と感じてしまう男性があらわれることだ。 つまり、男性の側が性や愛について「ただしい」意見を言ったり「正解」の振る舞い方をしたりすると、女性の側から仲良くなってくれたり優しくしてくれたりこちらを信頼してくれたりするなどのご褒美が与えられるはずである、という期待や予断のような感覚を抱く男性が増えているかもしれない、ということである。 す

    道徳と恋愛は相性が悪い - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2021/03/16
    雑に言うと人間関係はとかく難しいということですよね。/ところで出勤前にこのクオリティの文章を書き上げられるのすごい。
  • 「叩いていい存在」を叩く行為と、ネット民の幼児性について - 道徳的動物日記

    oriza.seinendan.org 平田オリザ騒動についての雑感。 ある有名人が人の癇にさわるようなことを言う。わたし自身としてもその発言を見聞して不愉快な気持ちになり、身内との会話でその話題を出して文句を言ったり愚痴ったりすることもあれば、SNSにネガティブな意見を書き込むこともある。 とはいえ、その人物を批判して糾弾することがネット上の潮流となっていることを知れば、自分からわざわざその人物を批判することはほとんどない。すでに他人が言ったり書いたりしていることを再生産することは意味のないことであるからだ。他の人たちが書いている意見がわたしのものとは異なっていて、自分の抱いている意見や感情がまだ誰にも代弁されていないな、と思ったら自分から表現する場合もあるけれど。 しかし、ある人がネット上で「パブリックエネミー」と扱われはじめて、その人に対する批判意見なら何を言ってもいいという段階にな

    「叩いていい存在」を叩く行為と、ネット民の幼児性について - 道徳的動物日記
    exaray
    exaray 2020/05/10
    「正義の暴走」ってワードが、そもそも「正義の怒り」がいつの間にか正義感や義憤とは関係なく暴走する状態を指してると思っていたので、ネット時代も戦時ファシズム時代と言うほど大衆心理は変わってない気が。
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