嫦娥(じょうが)のお話 -中秋節の由来- 昔、昔、そのまた昔、10の太陽が一度に空に現れたことがありました。大地は荒れ果て、海は干上がり、人々は暮らしを立てることすらできなくなりました。このころ后ゲイ(こうげい)という勇敢な若者がいました。その力は万斤の宝の弓を引くことができ、どのように恐ろしい獣でも射ることができたといいます。彼は人々の苦しむ様子を見て宝の弓と神の矢を持って一気に九つの太陽を射落としました。最後の太陽は許しを乞い、后ゲイが怒りを静め弓を納めて、太陽に人々のために決まった時間に昇り、沈んでいくことを約束させました。 后ゲイの名前は天下にとどろき、人々は彼を敬いました。その後彼は嫦娥(じょうが)という娘を嫁に取りました。嫦娥はとても美しく、そして穏やかで、聡明な女性でした。二人の仲はむつまじく、幸せに暮らしていました。とくに嫦娥は心やさしく、常々夫の狩ってきた獲物をみなに分け