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ブックマーク / docseri.hatenablog.jp (11)

  • ついった小説技法研究 - 妄想科學倶樂部

    140字しか書けないTwitter小説を成す#twnovelという遊びが広まっている。140字で物語ろうというのだからそれなりの技法というものが出来上がって行くのだが、まだ2ヶ月も経過していないこともありその研究は進んでいないようなので、自身の作例を元に分類を試みた。 前後を想像させる 140字の文章に140字以上のものを持たせるには、「行間を読ませる」必要がある。要するに語らぬ部分を読者の想像に委ねるわけだ。 その方向性を突き詰めた作例として(twnovelではないが)有名なものにヘミングウェイが自身の最高傑作と評したとされる、たった6語の小説がある。 For sale, baby shoes, never worn. (売ります、幼児の、未使用。) 恐らくは子供のために用意しておいたものが、何らかの事情で不要になったのだと思われる。その事情とやらがいかなるものであれ、悲劇的な事件

    ついった小説技法研究 - 妄想科學倶樂部
  • TRPGシナリオ分類について考える - 妄想科學倶樂部

    シナリオの構成については私が語らずとも多くの研究事例があるかとは思う。古くは舞台の構造による分類(ダンジョンアドヴェンチャー/シティアドヴェンチャーなどといった)が中心的だったが、これは舞台以外の点では構成が似ていた(その背景にはシステム自体の構成についての類似がある)からだろうか。 近年の事例を見るにシナリオ構造というかシステム構造に伴うシナリオ型による分類が多いようだ。それだけシステムがシナリオ型に合わせ特化してきたということだろう。ダンジョンアドヴェンチャーに特化したシステム(迷宮キングダム)や人気のストーリー主導型に特化したF.E.A.R.の各システムなど、RPGの形そのものが多様化している。 今回はあまりシステムに依拠しないシナリオ構造の大雑把な分類枠を考えてみた。 ストーリー主導型 1のストーリーを中核に置き、PCたちがそこに絡む形。ストーリーさえ決まれば作り易い、プレイヤー

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  • 反ノックス性について - 妄想科學倶樂部

    【アンチノックス賞】ノックスの十戒にことごとく抵触するミステ… - 人力検索はてなについて、結果が発表されたので少し書く。 この賞は「ノックスの十戒を破戒する小説を書け」という主旨であったが、参照先の ノックスの十戒すべての条項に抵触する小説。 序盤、犯人が読者の前に姿を現さない 超能力探偵 瞬間移動できる犯人 いまだ実現できていない技術を利用した犯罪 中国人しか出てこない 偶然と必然がないまぜになっている 探偵が犯人 読者に推理の材料が与えられない ワトスンの推理が実は正解だった 登場人物が全員同一遺伝子を持つクローン人間で区別がつけられない が非常に破戒的であり、これを満たす小説という困難に挑戦してみたくなったのでそのようにした。 「ノックスの十戒に抵触」ではなく「ノックスの十戒をひっくり返す」反十戒の遵守。これはこれで相当に破滅的なお題と言える。 既に賞の提唱者自ら上記を実践しており

    反ノックス性について - 妄想科學倶樂部
  • 星辰占術機械ステラ=デウス・エクスマキナ - 妄想科學倶樂部

    「基構想は18年前のものですが、実現にあたっては最新の天文理論を一から学び直さねばならず、またネットワークの発達に伴いデータベースまわりの仕様を37回に渡って書き直したため非常に時間がかかりました」 「星辰は系内惑星及び衛星については軌道計算値ベース、系外恒星その他については観測値を適用しています。データは各天文台の記録とリンク、リアルタイムで補正されます」 「常に全星辰情報を占いたい時期と一致させる必要があるため、軌道の割り出しと距離推定には力を注ぎました。最大で137億年ものずれを補正しなければならないので」 「占術DBの構築には苦労しました。膨大な文献を調査して過去の事例を全件記録、また最近のマスメディアによる占い情報を元にアンケート調査の蓄積を11年分。ただしいずれもノイズが多いため疫学的手法により要素抽出してますが」 「卜占についても星辰についてもメタ再帰処理を取り入れ、現実の

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  • 釣れますか - 妄想科學倶樂部

    釣り:物議を醸すものを発表し、それに対する反応を引き出した上で「すべては演出であった」と暴露することで全体の流れをひとつのエンターテインメントに変換してみせる手法。 釣りは質的にエンターテインメントである。高度な計算と迫真性により観客を惹き付け、クライマックスでの暴露により驚愕させる。落胆と安堵と高揚がない混ぜになった不思議な充足感。ある意味ではインタラクティヴアートの極地と言っても良い。 流石に今日では釣りを知らずに接する者も少なく、参加者も予め釣りの可能性を考慮に入れて行動することが多い。だけに綺麗な釣りは益々難しくなっているが、釣り師は釣りを予期されることまで考慮してネタ振りするなどの工夫により全体としての高度なメタネタを完成させてきた。その中には、敢えて怒りを誘うことでネタであることを忘れさせるなどの手法も含まれる。 しかし怒りを利用する手法は諸刃の剣である。怒らせるということは

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  • TRPG論:対戦から予定調和へ - 妄想科學倶樂部

    最近のTRPGに顕著なシステムとして「ハンドアウト」というものがある。 語源としては、講演や会見などに際し事前に配布される資料のことを指す。TRPG用語としても大まかには事前配布資料を指すことに変わりはないのだが、それがゲームシステムに組み込まれているというのはどういう意味なのか。 一括りにハンドアウトと呼ばれはしても、内容は様々である。 広義のハンドアウトは、プレイヤーに対し事前に通知される全情報が含まれることになる。」「今日のシナリオはダンジョンものだ」「魔法使いが一人は欲しい」「君たちは冒険者として、この町の酒場にいる」、いやもっと言えば「システムはこれを使う」までもが広義のハンドアウトに含まれる。 しかし、こうした情報はTRPGの開闢以来ずっと開示され続けてきたもので、わざわざシステムとして規定するようなものではない。 実際にハンドアウト制を採るシステムのリプレイやシナリオを見る限

    TRPG論:対戦から予定調和へ - 妄想科學倶樂部
    extramegane
    extramegane 2007/12/20
    id:another g:neoに私信を。
  • 著作権の独占性が資本主義を阻害する - 妄想科學倶樂部

    著作権は来、著作者人に属する永続的な権利である。その目的は主に著作者としての名誉を守ることにあると言える。 が、著作権は発生時点から今日まで、営利活動と密接に関係して成立してきた。そのため事実上知的財産権の延長上にあると言ってよい保護を受けている。 知的財産権、例えば特許権や意匠権のようなものは、基的に企業間の健全な競争力を保持するために作られたものである。ある企業が努力の末に作り出した独創的なアイディアを一定期間保護し、何の努力もない他社が容易にそれを利用することを禁じる特許権、類似したデザインで誤認を誘発し便乗する行為を禁じる意匠権など、企業の努力を保護し健全な競争を促進する手段として概ね有効に機能している。 対して著作権にまつわる知的財産権、つまり著作隣接権は、企業の努力により生じた権利ではない。努力は著作者によるもので、隣接権は単にそれを利用するだけのものだ。にも関らず、著作

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  • 新しい議論インターフェイスを考えた - 妄想科學倶樂部

    議論というのはしばしば筋から逸れて変なところで長引くものだ。比較的流れを追い易い文字ベースであっても、所々で纏めが入らないと議題が拡散し易い。 ツリー構造化することで、拡散する話題のそれぞれにブランチを新設して対処する方法もある。これはこれで有効なのだが、ツリー構造を理解しないユーザにより異なるブランチの話題が混同することがあったり、また複数のブランチの話題を統括することができない(拡散するだけで収束させられない)という問題もある。 これらすべての問題(話題分割の必要性とその収束の必要性)を兼ね備えたインターフェイスを夢想した結果、Wikiの変種という解に到達した。普通のWikiでは元発言を書き換え可能である点で議論に向かない(Wikipediaのように編集可能なページとそれに付随する編集不可能なツリー掲示板という構成ならばある程度これを解消できる:最上位ページが議論内容のまとめに、掲示

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  • 不適切なら削除してください - 妄想科學倶樂部

    mixiで新規トピックを作成した人がよく最後にこう記すことがある。このセリフ、確か以前はBBSでよく見かけたものだ。 不適切かも知れないと思うなら書かぬようにするなり不適切ではないかと思う部分を修正するなりすべきだし、また管理権限者が不適切と判断すれば適宜削除なり修正なりされるので、いちいち断りを入れる理由がない。まったく無駄な一文に思えるわけだが、多分書いた方としては気配りのつもりなのだろうと思う。 正直言って、見るたびに少々苛立つ。この苛立ちは何だろうと思ったら、要するに無断リンク問題と同根なのだった。 無断リンク禁止を謳う人の主張は大雑把に言えば「リンクする前に一言断りを入れて下さい」というものだ。微妙にヴァリエーションがあって、事後報告で良しというものや許可制のものなどが存在するが、要は「リンクしたいんですけど、厭だと思ったら断ってかまいません」という態度を見せろという要求。 管理

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  • 単独でしか機能しない戦術性の設計は可能か - 妄想科學倶樂部

    カタンの開拓者たち カードゲームのデッキ構築を見ていてふと思い付いたこと。 各プレイヤーがそれぞれ構築したデッキを持ち寄ってプレイするというスタイルは、トレーディング・カードゲームの始祖マジック:ザ・ギャザリングによって完成したと言える*1。この種のゲームの利点は、 予め戦術を熟考し構成しておくことで、運の要素にほとんど振り回されない 追加セットの投入により戦術バランスが一変するためパターンの定着による頭打ちがない (販売側の利点として)ひとつのゲームシステムで長期的な利益が見込める といった辺りだが、その副作用として 資金力と強さが直結する 資金を注ぎ込み続けなければ、あっという間に(相対的に)弱体化する ゲームバランス改変のために性能がインフレ化し易い 新しいカードに乗り替えて貰うためには以前のものより強くなければならない 利益追求のため新セット投入までの期間が短かい 旧セットに慣れ切

    単独でしか機能しない戦術性の設計は可能か - 妄想科學倶樂部
    extramegane
    extramegane 2007/07/24
    この仕組みを現実世界に応用したら進歩のスピードどうなるだろう、コスト高すぎかしら…
  • はてなスターが不憫なので - 妄想科學倶樂部

    日リリースされたはてなスター、あちこちから不満の声ばかり聞こえる。 間違って付けた星を消せないとか複数回投票可能とか管理画面でOffに設定できないとか、まあ色々言いたいことはあろう。けれど、まずは少しぐらい良いところを見付けてやってもいいのではないか、そんなことを思いながらエントリを書く。 ぱっと見て判る通り、これはエントリ評価システムである。また限定的ながらコメント機能がある。この点では、既存のサーヴィス「はてなブックマーク」と変わりないようにも見える。 ただ、はてなブックマークがあくまで自分のためだけに行なわれるものであるのに対し、はてなスターは相手に評価を伝えるためにある。この違いがどう出るのか、今はまだ判らないが。 奇妙なのはメッセージ機能で、ごく自然に考えれば星を付けた時にエントリ執筆者宛てメッセージを送信したくなるものだと思うのだけれど、敢えてその欲求をスルーして双方向の関係

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