桃色の八重桜がぼよんぼよんと豊満にえろく揺れる完璧な春の午後。あたたかく明るいだけじゃなくてこういう強い風が吹く日がだいすき。 むすこを連れてトシオを見送りに実家の最寄りの駅に歩く。あたしは昔のひとの教えを忠実に守り、出産してから1ヶ月は外に出ないようにしていたので、ほんとうにひさびさの外出。シャバの空気にくらくらする。やわらかくバウンスしていない、直接届くするどい光も1ヶ月ぶりで、すっかり白くなった(あたしにしては、ってくらいだけど)肌を容赦なくきりきり照らす。見知らぬ他人がたくさん歩いたり走ったりしている。軽自動車とヤンキー(いまだヤンキーを大量排出しているように見える、この街は)の原チャリはあたしたちの肩をかすめて爆音で通りすぎ、いちいち心臓がとまりそうになる。ああおそろしい。まったくなんて野蛮な場所なのかしら、外界って。温室育ちですっかりヤワになりさがったあたしでした。そして歩いて
![強い風の吹く、春の午後に | ナカマサニッキ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f1fc6fcf34d3ae9046673ceb553d47f1f794a2d5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpds.exblog.jp%2Fpds%2F1%2F201004%2F29%2F13%2Fb0044713_18202994.jpg)