13か所で氾濫した熊本県を流れる球磨川では、「氾濫流」と呼ばれる川からあふれた濁流が堤防からおよそ100メートル離れた場所でも速さが秒速3メートル以上に達し住宅を押し流したとみられることが、当時、撮影された動画の分析で分かりました。専門家は「建物の2階以上に逃げる垂直避難では命の危険がある場合があり、早い段階で安全な高台などへ移動しておくことが大切だ」と指摘しています。 熊本県の球磨川では、6か所あるすべての観測所で水位が過去最高となり、人吉市では2か所で堤防が決壊したほか、球磨村や八代市など合わせて11か所で水が堤防を越えたり、堤防のないところからあふれ出たりしました。 河川工学が専門の熊本大学大学院の大本照憲教授は、現地調査や当時の映像などから「氾濫流」と呼ばれる、川からあふれ出た水の流れを詳しく分析しました。 このうち、川幅が急激に狭くなる中流部の球磨村渡地区で撮影された動画を解析し