2021年12月24日、内閣府は子どもの貧困に関する初めての全国調査の報告書を公表した。クリスマスの夜にあわせて発表されたこの報告書は、10年後に、「あの報告書が子どもの貧困対策のターニング・ポイントだった」と評価されるかもしれない。 報告書の正式名称は、「令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書」(以下、「報告書」)という。13年に子どもの貧困対策の推進に関する法律(子どもの貧困対策法)が制定されてから、都道府県や政令指定都市などを中心に、同じようなタイトルの調査報告書は数多く発表されてきた(子どもの貧困調査研究コンソーシアム「子どもの生活実態調査(子どもの貧困対策事業)実施都道府県」)。 しかし、報告書は、「政策実行を求める数字を集める」という点で、今までのものとは一線を画している。その特徴は、貧困の実態把握、制度補足率の把握、オープン・アクセスの3点が挙げられる。また、内閣府は、報
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