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ブックマーク / www.toibito.com (9)

  • 1. 他我問題 - 野矢茂樹 | トイビト

    あなたが見ているその世界は、他人にはどう見えていると思いますか。「なにをばかなことを! 同じ世界にいるのだから、同じように見えているに決まっている」。多くの人は、きっとそう答えるでしょう。しかしなぜ、そういえるのでしょうか。私は私に見えているものしか見えません。であるならば、私が私である限り、他人の世界を知ることはできないようにも思えます。はたして私たちは、それぞれに現れている世界を共有することができるのでしょうか。哲学者の野矢茂樹先生にお聞きしました。 ――「独我論」というものを初めて知ったときに恐ろしい、というのとはすこし違うんですけど、いま立っている足元が揺らぐような、すごく奇妙な感じがしたんです。この世には自分しかいないかもしれない、他人は存在していないかもしれないなんて、絶対そんなはずがないのに、理屈上それを否定することはできない。それがなんて不条理なんだろうと思っていたのですが

    1. 他我問題 - 野矢茂樹 | トイビト
  • リスクコミュニケーションはなぜ必要か - 佐野和美 | トイビト

    会員登録(無料)していただくと、記事から任意の箇所を抜粋したり、メモをつけて保存できるようになります。 新型コロナウイルスの終息が見通せない中、リスクとどう向き合っていくかを考える必要性が高まっています。私たちは生きているかぎり、リスクをゼロにすることはできません。このリスクについての科学的な知見を広く一般に伝えるのが、リスクコミュニケーションと呼ばれる分野です。伝える相手によって表現を変え、リスクをしっかりと理解してもらう重要な役割を担っていますが、日ではあまり知られていないかもしれません。このコラムでは、リスクコミュニケーションとは何か、そしてリスクとどう向き合うべきなのかについてお話しようと思います。 リスクコミュニケーションとは、文字通りリスクに関する情報を伝達することです。今あるリスクがどういうものなのか、今後どういった影響がありえるのかといった専門家の知見をわかりやすく翻訳し

    リスクコミュニケーションはなぜ必要か - 佐野和美 | トイビト
  • 「奇妙なナショナリズム」とは何か - 山崎望 | トイビト

    会員登録(無料)していただくと、記事から任意の箇所を抜粋したり、メモをつけて保存できるようになります。 ナショナリズムは一般的に国民国家(=ネイションステイト)と関わりの深い思想であると言えます。社会学者アーネスト・ゲルナー(1925-95)はナショナリズムを、文化的・民族的な人間集団である「ネイション」と、政治的な統治範囲である「ステイト」を一致させようとする思想や運動の総称と定義しています。国民国家という国のあり方が当然である現代の感覚とは異なりますが、このネイションとステイトの一致は決して自明でも、必然的なことでもありません。一つの国家が統治する領土に言葉や文化の異なるさまざまな民族が暮らすのは、近代以前にはむしろありふれた状況でした。江戸幕府がステイト=国家としての統治機構を有していたのは確かですが、当時の日列島に住む人びとに同じネイション=民族だという意識はまだ希薄だったでしょ

    「奇妙なナショナリズム」とは何か - 山崎望 | トイビト
  • 1. コミュニティと情報 - 広井良典 | トイビト

    「持続可能な社会」ということがいわれるようになって、それなりの月日が経ちました。にもかかわらず、環境破壊、少子高齢化、人びとの孤立といった問題は、改善するどころか、一層深刻になっているように見えます。その背景にはなにがあるのでしょうか。「コミュニティ(共同体)」という視点を切り口として、日社会の歩んできた歴史と特徴、これからのあるべき姿について、政策研究から哲学的考察まで幅広く活動する広井良典先生にお聞きしました。 ――今日は、持続可能な社会とコミュニティとの関係といったテーマでお話をお聞きしていければと思います。まずは人間にとってコミュニティとはそもそもどういうものなのか、といった辺りから教えていただけますか。 わかりました。私はもともと科学史・科学哲学という文系と理系の中間のような専攻でしたので、コミュニティというのも人間だけでなく――もちろん人間に固有の話もたくさんあるんですけど―

    1. コミュニティと情報 - 広井良典 | トイビト
  • 「自分」はどうつくられるか - 清田 友則 | トイビト

    会員登録(無料)していただくと、記事から任意の箇所を抜粋したり、メモをつけて保存できるようになります。 自己分析に勤しむシューカツ生のみならず、自分がどんな人間なのか、考えたことのない人はいないでしょう。ある人は肯定的に、ある人は否定的に、ほとんどの人はその両面で評価する「自分」。しかしその「自分」は、決して、生まれながらに備わっているものではありません。 フランスの精神分析家ジャック・ラカン(1901年-1981年)によると、幼児は生後6カ月~18カ月の間に、鏡に映る自らの像を基にして、自我の最初の輪郭を形づくるそうです(この時期を「鏡像段階」といいます)。ここで重要な点は、鏡像が「自分そのものではない」ということです。言うまでもなく、私たちは自分の全身を直接見ることはできません。つまり私たちは「鏡像=自分ではないもの」を自分だと思い込むことによって、はじめて「自分」を手に入れるのです。

    「自分」はどうつくられるか - 清田 友則 | トイビト
  • 1. 武士道の「発見」 - 島薗進 | トイビト

    生あるものすべてに等しくおとずれる「死」。私たちは誰ひとりとして、死と無縁ではいられません。親しい人、かけがえのない人、そして自分自身の死。死を考えることは、生を考えることでもあります。だからこそ、死の受け止め方には時代や地域、信仰などによって大きな違いがあるのでしょう。では、近代以降の日人にとって、死はどういうものだったのでしょうか。そして、現代を生きる私たちは、死とどう向き合っていけばよいのでしょうか。宗教学者の島薗進先生にお聞きしました。 ――「死生観」という言葉が出てきたのが、実は明治も後半になってからだとお聞きして意外だったんですけど。その背景にあるのは、日が近代国家をつくっていく上で「あるべき日人像」みたいなものが求められたということでしょうか。 そうですね。明治の初めの頃は西洋に追いつけ追い越せで一生懸命だったんだけれども、じゃあ西洋に対抗するときの、日人のよりどころ

    1. 武士道の「発見」 - 島薗進 | トイビト
  • 3. 死を迎えるための教養 - 島薗進 | トイビト

    生あるものすべてに等しくおとずれる「死」。私たちは誰ひとりとして、死と無縁ではいられません。親しい人、かけがえのない人、そして自分自身の死。死を考えることは、生を考えることでもあります。だからこそ、死の受け止め方には時代や地域、信仰などによって大きな違いがあるのでしょう。では、近代以降の日人にとって、死はどういうものだったのでしょうか。そして、現代を生きる私たちは、死とどう向き合っていけばよいのでしょうか。宗教学者の島薗進先生にお聞きしました。 ――自殺という行為そのものは江戸時代からあったけど、明治の終わりに藤村操が「生きている意味がわからない」という理由で、初めて自殺をした。初めてと言っていいかどうかわからないですけど、「実存の悩み」みたいなものが出てきたということですね。 そのときに「煩悶(はんもん)」という言葉が広まったんですけど。これは生きている意味が分からない、あるいは、これ

    3. 死を迎えるための教養 - 島薗進 | トイビト
  • 1. 環境問題のいちばんの問題 - 辻信一 | トイビト

    地球温暖化、空気・水・土壌の汚染、森林の減少、生物多様性の喪失など、年を追うごとに深刻度を増していく環境問題。長年にわたって環境保全活動に取り組んできた辻信一先生は、これらの問題の背後には、「私」が世界を認識するという、デカルト以来のマインドセットがあるといいます。それは一体どういうことでしょうか。そして、私たちはどうすれば、この未曽有の危機を乗り越えることができるのでしょうか。 ――先生はさまざまな活動を通して自然破壊への警鐘を鳴らしてしておられますが、自然破壊とは簡単に言うとどのようなものですか。 自然破壊はいろいろなレベルで語れますけど、一つは空気や水の汚染ですよね。生き物というのは空気や水によって生きてるわけなので、それが汚染されれば、生態系全体に深刻なダメージを与えるという単純なことです。ゴミによる汚染、プラスチックによる海の汚染、排気ガスによる汚染などがありますね。 でもそうし

    1. 環境問題のいちばんの問題 - 辻信一 | トイビト
  • トイビト 学問したいすべての人へ | トイビト

    学問したいすべての人へトイビトは誰もが、いつからでも、そしていつまででも「学問」できるインターネット上の「キャンパス」です。人文・社会・自然・芸術、さまざまな研究者の記事が無料で読めるだけでなく、記事から任意の箇所を抜粋してノートを作成し、他のユーザーと共有することができます。 もっと詳しく知る

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