全国人民代表大会の全体会議の後、習近平国家主席(左)に話しかける李克強首相=北京の人民大会堂で5日、AP 中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が5日開幕した。北京の人民大会堂で、開幕日の全体会議の終了が告げられると、政府活動報告を終えた李克強首相は緊張が解けた様子で立ち上がり、隣の習近平国家主席に話しかけた。習氏は握手などでねぎらうそぶりは見せず、短く言葉を交わしただけだった。毎年の報告は、中国の首相にとって晴れ舞台だ。しかし読み上げられた報告の内容と、上下関係が際立つ2人の振る舞いから、真の主役が誰であるかは明らかだった。 「習同志を『核心』とする」。報告の中で5度、別格の指導者を意味する「核心」が使われた。1年前に始まった習氏の重要演説などを学ぶ政治運動も初めて報告に盛り込まれた。5年に1度の中国共産党大会に向けて習氏の権威を浸透させていく意図は明らかだった。