人生も仕事も、この道を行きなさい、こうやって歩きなさいと、決めてもらうのが当たり前。だから、「最近の人は『こうしなさい』と言ってあげないと不安がる」との声は方々で聞こえるし、逆に言えば、定められたレールの上を踏み外さずに進むのが優等生ということだ。うまくいかなければ、悪いのは指示を与えた人か突発的な環境変化であり、自分自身が問われる部分は棚上げにされることが罷り通っている。 それじゃ人間は 機械と同じじゃないか 柳田敏雄(やなぎだ・としお) 大阪大学生命機能研究科特任教授。1946年生まれ。71年大阪大学大学院修士課程を修了し、電子部品メーカーに就職した後、大学に戻る。88年大阪大学基礎工学部教授、96年同医学部教授などを経て現職。 写真:田渕睦深 指示や環境が悪いからなんて、人間ではなくロボットの話のようだ。生物物理学者の柳田敏雄も、そんな単線的な生き方は人間らしくないと笑う。その考え
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