女の子に興味がないわけではなかった。 ただ、オクテだった。 それと、モテなかった。しゃべらない男はモテない。 だから、高校は男ばかりのとこに行った。そうすれば、ひとつ言い訳が出来る。 「まわりに女の子がいないから」 就職した後は、こんな風に言い訳した。 「本当に好きでない人とは付き合えない」 二十歳過ぎても童貞だった。言い訳は 「本当に好きでない人とはセックスできない」 声には出さず、心の中で自分に言い訳した。 家庭の事情を理由にして、 「結婚なんてロクでもないこと」 貧乏性なので趣味はないけど、 「一人でいるほうが好きなことできるし」 子供時代、貧乏だったので、金を使わない癖がついていた。 金貯まりすぎたので、家を建てた。 苦労した母のため。 結婚する気はなかった。 ここまで来たら、一生独身だな、と思った。 そうしたら、好きな人が出来た。 自分が幸せにしてあげたい、と思った。 デートに誘