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ブックマーク / xtech.nikkei.com (25)

  • 下請けベンダーから「人が消える」、大手SIerの経営者も恐れる深刻な事態とは

    大手SIerの経営者がこんな「恐ろしい話」をしていた。「パートナー企業(=下請けITベンダー)から人が消えているんだよ。大変なことになりつつある」。恐ろしいといっても、神隠しにあっているわけではない。この経営者が話した「人」とは優秀な技術者のことだと理解すれば、IT業界の関係者なら誰もが合点がいくだろう。もちろん、あくまでも優秀な技術者のことであって、技術者一般の話ではないぞ。SIerから見れば、これほど恐ろしい話はないだろうね。 要するに、システム開発プロジェクトの実装工程などをリーダーとして担える下請けITベンダーの技術者が転職することで、どんどん「消えてしまっている」わけだ。人月商売のIT業界の多重下請け構造にあって、その親玉であるSIerから見える技術者とは「この人がいないとプロジェクトが回らない」と言われるような人材だ。客の業界や業務に精通している人、当然プログラムが書けてシステ

    下請けベンダーから「人が消える」、大手SIerの経営者も恐れる深刻な事態とは
    fiftit
    fiftit 2023/10/23
  • 「売り切れんくらい積み上げろ」 常識外の在庫量で躍進

    機械工具卸売業のトラスコ中山は、「在庫は悪」という考えの真逆を行く在庫戦略で成長を遂げている。約3000社の製品を取りそろえて即納するという他社にはないサービスが多くの顧客を惹きつける。「在庫は成長のエネルギー」と力説する代表取締役社長の中山哲也氏に話を聞いた。(聞き手は岩野 恵、高市清治、中山 力) 生産現場で必要な商品をすぐに届けられるよう、幅広い商品をとにかく置いて、置いて、置きまくろう。そういう方針で会社を経営しています。現在、在庫として持つ商品は約50万アイテムあります。50万アイテムというのは半端ではない数字だと自負しています。商品を買う側からすると、トラスコとつながるだけで、50万アイテムの商品を即納してもらえる。こんなに便利な会社は他にありません。 我々の在庫戦略は、マーケティング用語の「ロングテール」に該当すると言われることがあります。直訳すると長いしっぽですね。例えば、

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    fiftit
    fiftit 2022/02/22
  • プログラミングと「金継ぎ」、どちらの技能が老後の不安解消に役立つか

    この連載は、記者である私がプログラミングを学ぶことをメインのテーマにしている。その背景にあるのが「老後の不安」だ。 私は文章を書くこと以外にこれといった能力を持たない。そうした自分が、高齢者になったときに少しでも生活の安定にプラスになるような技能を得られないかという思いが、このコラムを始める動機の1つになっている。身もフタもない言い方をすれば「少しでもお金を稼げる可能性を広げておきたい」ということだ。 最近、プログラミング以外にも老後の安定に役立ちそうな技能を習っている。「金継ぎ」だ。割れたりひびが入ったりした器を漆で修復し、金で装飾する技法である。対象は主に陶磁器だが、木工品やガラス製品に使われることもある。金継ぎの仕事を受けられるようになれば、収入源の1つになる。 金継ぎの教室に通い始めたのは2019年3月初めなので、かれこれ10カ月になる。先生や自分の都合が悪い時期以外は、ほぼ毎週通

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    fiftit
    fiftit 2020/01/17
  • 最新「USB4」でパソコン環境はどう変わる?2020年のPCインターフェース大予測

    PCは映像や音声の入出力、データ転送などに用いる様々なインターフェースを備えている。こうしたインターフェースも進化と変化を繰り返しているが、その中で今、注目すべきは多くの機器で使われている「USB(Universal Serial Bus)」だろう。最近はUSB Type-CやThunderbolt 3の普及が進み、さらに最新規格「USB4」が策定され仕様が公開された。そこで今回は、USBの最新事情を整理しよう。 USB4の仕様が公開も、気になるThunderbolt 3との互換性 2019年9月、USB4の仕様が公開された。USB4では新たに「Gen.3」の通信速度が規定され、通信に使う信号線が1組の「シングルレーン」で20Gビット/秒、2組の「デュアルレーン」で40Gビット/秒の転送が可能になった。 またUSB4は、USB 3.2、DisplayPort、PCI Expressの信号を

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    fiftit
    fiftit 2019/11/08
  • ホンダ・日立系4社の統合、デンソーはこう見る

    「強力なライバルが出現し、切磋琢磨する相手ができた。と同時に、協調領域で標準化を進めていく際の話し相手(受け皿)にもなると見ている」。デンソー経営役員の松井靖氏は、2019年10月31日に開いた2019年度上期(2019年4~9月期)の連結決算説明会でこのように述べた。 ホンダと日立製作所は2019年10月30日、傘下の部品メーカーであるケーヒン、ショーワ、日信工業、日立オートモティブシステムズの4社を経営統合すると発表した(関連記事)。 経営統合の動きについて松井氏は、「大規模な開発投資や設備投資ができること、ニッチなサブシステムではなく、車両統合プラットフォームとサブシステムのすべてをターンキーソリューションとして提供できることが、この業界で生き残るための条件だ。ホンダ・日立系の部品4社が経営統合するのは自然な流れであり、自動車部品業界の合従連衡はこれからも進むだろう」と述べた。 「企

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    fiftit
    fiftit 2019/11/06
  • 技術者が嫌う「人売り営業」と「伝書バト営業」、なぜ大量発生するのか

    人月商売のITベンダーの営業担当者はとんでもなく技術者に嫌われているなとつくづく思う。何せ聞こえてくる罵詈(ばり)雑言がものすごい。「人売り屋の連中め」などはまだまともなほうで、お行儀の悪い「極言暴論」でも紹介できないようなひどい言葉を何度も聞いたことがある。 私は取材の関係で、人格も成績も優れた営業担当者を何人も知っているので、そこまで言われるとさすがに気の毒になる。ただ、実際に「君ら、(人月単価)70万円で売れたからな」などと不適切な表現を平気で使う営業担当者もいる。おそらく下請けITベンダーの営業担当者だけだと思うが、こんな言葉を投げつけられたら技術者は気分が良いはずがない。 営業担当者が評判を落とす理由はもちろん言葉遣いだけではない。例えば技術者が精緻に見積もったにもかかわらず、客に「この金額じゃ、おたくに任せられないよ」と脅され、あっさり値引きしてしまうアホ営業の話は数知れない。

    技術者が嫌う「人売り営業」と「伝書バト営業」、なぜ大量発生するのか
  • 成長できる機会は無い、技術者はもうプロマネを目指すな

    この「極言暴論」の記事はIT業界技術者の間でちょくちょく物議を醸す。「暴論」とうたっているわけだし、人月商売のIT業界の悪弊やユーザー企業のIT部門の駄目さ加減などを徹底的にこきおろしているから、当たり前といえば当たり前だ。 記事や私に対する大概の批判は感情的なものなので、「おいおい、もっと冷静になって現状をよく見たほうがいいぞ」と思いつつ、スルーすることにしている。ただ、あるテーマに関しては理性的な批判も多く、「この違いは何なのか」とずっと考えていた。 そのテーマとは「プロジェクトマネジャーは誰が担うのか」である。私の答えは随分前から決まっている。「プロマネは技術者の仕事ではない」。そう言い切っていた。技術者が担っても構わないが、SEやプログラマーといった技術者カテゴリーの仕事とは全くの別物なのだ。 だってそうだろう。プロマネはマネジメントが仕事なのだから当たり前である。技術者だけでな

    成長できる機会は無い、技術者はもうプロマネを目指すな
  • 「何でもよいから何かやれ」と言う愚かな経営者、AI人材は本当に必要か

    このところ、日企業の経営者に流行している言葉がある。「AI人工知能)を使って何かやれ」である。ポイントは「何かやれ」だ。言葉を補って「何でもよいから何かやれ」とすれば、さらに分かりやすくなるだろう。 経営者が「何かやれ」と言う相手はもちろん部下だ。CIO(最高情報責任者)やIT部門、あるいは急ごしらえのCDO(最高デジタル責任者)やデジタル組織かもしれない。いずれにしろ、多くの企業から「社長が突然『AIだ』『データ活用だ』と騒ぎ出して困っている」といったぼやきが漏れてきている。 はっきり言って部下に「何でもよいから何かやれ」と命じるのは、経営者として「超」が付くほど恥ずかしい。言うまでもなくAIは手段である、それを活用する前提として経営上の目的が必要だ。にもかかわらず、具体的な目的を示さないのは経営者がAIを活用する経営上の目的をよく考えていないからである。経営上の目的探しまで部下に丸

    「何でもよいから何かやれ」と言う愚かな経営者、AI人材は本当に必要か
  • SAPがドイツで誕生した謎、無知な日本人が気付かない真実

    パッケージソフトウエア製品やクラウドサービスをグローバルで展開する巨大ITベンダーといえば、そのほぼ全てが米国企業だ。グーグルGoogle)やアマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)、マイクロソフト(Microsoft)、オラクル(Oracle)……。当然、人月商売に明け暮れる日の大手ITベンダーはグローバルどころか、国内でも存在感が薄くなる一方で、その差にもはやため息すら出ない。 だが、唯一の例外がある。言わずと知れたERP(統合基幹業務システム)最大手の欧州SAPだ。ドイツが生んだこの巨大ITベンダーは今のところ、オラクルやマイクロソフトなど米国のITベンダーの挑戦を退け、ERPで世界トップシェアを維持している。 実は、私にとってこのSAPは謎だった。なぜドイツで米国企業をしのぐ巨大ITベンダーが誕生したのか。だってそうだろう。「ドイツは日と似ている」

    SAPがドイツで誕生した謎、無知な日本人が気付かない真実
  • 就活生が「大好き」なSIer、なのに若手がボロボロ辞めていく理由

    就活生の中には「SIer大好きセグメント」に属する若者が大勢いると聞いて、腰を抜かしそうになったことがある。大手SIerに入社して技術者として働きたいというのだから、驚いて当然だろう。もし目の前にSIer大好きセグメントの就活生がいたら、「おいおい、業界研究や企業研究をしっかりやったか」などと要らぬ説教をしてしまうかもしれない。 教えてくれたのは大手SIerの幹部だった。SIer大好きセグメントの就活生はいわゆる草系の若者で、親の言うことをよく聞く優等生タイプが多いそうだ。表向きの志望理由は「客と対話しながら仕事したい」などだそうだが、音は安定志向。NTTデータや野村総合研究所(NRI)などの業績を見てSIerを志望するらしい。 大手SIerの多くはネームバリューの高い企業の子会社が多いから、就活生の親の受けも良い。例えばNTTデータなら、親から「NTTでしょ、そこにしなさい」と勧めら

    就活生が「大好き」なSIer、なのに若手がボロボロ辞めていく理由
  • IT部門の「老老介護問題」が深刻だ、若手技術者が次々と去っていく

    この「極言暴論」の読者ならよくご存じだと思うが、私は常々「若者をコボラーにするな」と主張している。COBOLが古い言語だから駄目だと言っているわけではなく、今どきCOBOL技術者になってしまえば、新規開発に携われる機会はほとんどない。仕事が老朽化したシステムのお守りに確定してしまうことが問題なのだ。 十数年前に誰かが作ったCOBOLプログラムの保守を割り当てられたら目も当てられない。ユーザー企業のIT部門の新人ならともかく、ITベンダーの新人が客先常駐のそんな現場に放り込まれたら、将来が一気に闇に閉ざされてしまう。 ユーザー企業にとってシステムの保守や運用が大切なのは分かるが、ITベンダーの技術者は作ってナンボだ。数多くのシステム開発に携わった経験、様々な最新技術に触れた経験が技術者としての未来をつくっていく。それなのに、老朽システムのお守り役になった途端、そうした世界から隔離されてしまう

    IT部門の「老老介護問題」が深刻だ、若手技術者が次々と去っていく
  • IT部門とIT業界を駄目にした終身雇用、では技術者をクビにしますか?

    私がこの「極言暴論」で手を替え品を替えぶった切り続けてきたのは、ユーザー企業のIT部門や人月商売のIT業界の不都合な真実や不条理だ。連載を始めてから既に6年以上が経過した。よく書き続けてきたなと自分であきれるぐらいだ。 もちろん、それだけ日企業のIT利活用やIT関連ビジネスがどうしようもないということの証左でもある。非効率極まりないシステム開発や保守運用、専門家集団から素人集団に落ちぶれたIT部門、技術者のキャリアを滅ぼす理不尽なIT業界の多重下請け構造、ご用聞きしかできずイノベーションを生み出せない人月商売のITベンダーなど、極言暴論のネタは尽きない。 なんでこんなに駄目なのかと言うと、根的な理由が2つある。1つは、日企業の経営者のITに対する理解がひど過ぎるからだ。もう「アホ」と言ってよいレベルだ。経営者がこれだからシステムは軽視され、IT部門の劣化が進む。結果、素人化したIT

    IT部門とIT業界を駄目にした終身雇用、では技術者をクビにしますか?
  • SIer推奨「20年後のレガシーシステムを今つくる」の愚かさ

    今、大手SIerなどITベンダーがこぞって一押しするバズワードがある。例の「2025年の崖」である。経済産業省が2018年9月に公表したデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の報告書「DXレポート」の副題に使われた言葉だが、役所の報告書のタイトルにしては珍しくインパクトがあり、バズワードとして独り歩きしている。 報告書で言う「2025年の崖」とは、多くの日企業が老朽化した基幹系システムを放置していると、2025年あたりに崖から転落するような大変な事態に立ち至るという「予測」だ。そして日企業の経営者は一刻も早く基幹系システムの刷新を決断せよ、と主張する。まさにITベンダーには、これ以上おいしい話は無いはずだ。 SIerをはじめとする人月商売のITベンダーにとって、最も重要度の高い案件は基幹系システムの刷新プロジェクトだ。何せ規模が大きい。大手顧客の案件なら数百億円規模の売り上げが立

    SIer推奨「20年後のレガシーシステムを今つくる」の愚かさ
  • 技術者に未来なし、「コーダー」という呼び名に潜む人月商売の闇

    プログラマーとコーダーとの違いは何か。改めてそう聞かれたら、あなたはきちんと答えられるだろうか。まさか「両方とも同じじゃん」なんて思っている読者はいないだろう。だが具体的に何が違うのかを即座に説明できる人もあまりいないはずだ。プログラマーもコーダーもプログラム(コード)を書く仕事である。では何が違うのか。 「プログラマーのほうがコーダーより高度な仕事をしている」。そう断言する人もいるかと思う。その通りだ。プログラマー仕事はコーダーの仕事よりもはるかにレベルが高い。プログラマーの人なら全員同意するはずだ。ただ、「コーダーはプログラマーよりレベルが低い」と言い放っているわけだから、理由を説明しないまま済ませたらコーダーの人たちに失礼だ。 コーダーはプログラマーに比べると、やや特殊な呼び方だ。パッケージソフトやゲームソフト、OSやミドルウエア、クラウドの基盤ソフト、どんなものであれプログラム(

    技術者に未来なし、「コーダー」という呼び名に潜む人月商売の闇
  • 客をしつけられないSIer、では究極の奥義を伝授しよう

    SIerの幹部に会うと、たまに悪い癖が出て「上から目線モード」になる。まあ、相手からすると嫌なやつだ。そんなとき私が口にするのは、この「極言暴論」で何度も書いているような話だ。例えば「客をしつけなさいよ」だとか「『お客さまに寄り添う』のような気色悪い言葉はNGワードにすべし」といった具合である。 なぜこんな嫌なやつになるかと言うと、SIerの幹部からあまりにトホホな話を聞いてしまうからだ。「うちは絶対に逃げないことでお客さまの信頼を得ている」などといった話を聞くと、「何言ってんだ、あんたは奴隷か」などと思い、上から目線モードにスイッチが入ってしまう。 ご用聞きの行き着く先というか、奴隷根性のなせる業というか、いくら大切な客だからといっても無理難題を含めて何でもかんでも聞き入れ、客のわがままが原因でプロジェクト炎上しても、決して手を引かず頑張ってしまう。当然、現場の技術者は疲弊の極致になる

    客をしつけられないSIer、では究極の奥義を伝授しよう
  • 技術者に迫る「45歳の崖」、なぜ学ぼうとせず転職もしないのか

    ありがたいことに、この「極言暴論」は人月商売のITベンダーの技術者、そしてユーザー企業のIT部門の技術者から強い支持をいただいている。IT業界の多重下請け構造などの理不尽やユーザー企業の経営者のITに対する無理解などを無遠慮にバンバン批判するので、技術者からすると「よくぞ言ってくれた」となるだろう。 ただし、私は必ずしも技術者の味方というわけではない。だから「この人たちはいったい何を考えているのだろう。どうしてここまで愚かなのか」と思うときがある。その典型がブラックに近いような下請けITベンダーで酷使されながら、転職しようとしない人たちだ。空前の技術者不足で自身のキャリアや人生を大きく変えるチャンスが広がっているのに、多重下請け構造の底辺でくすぶっている。 「この会社はどうしようもない」「こんなところにいては自分の将来は無い」などと話す技術者に出会う場面がある。そんなとき、私は「だったら転

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  • 「経営者はITオンチのほうがよい」、IT部門とSIerがひた隠しにする不都合な真実

    世の中には「不都合な真実」が数多く隠されている。明るみに出て広く知られると関係者が困った事態に陥るため、どんなに真実で重要な事実であっても関係者によって隠匿されてしまったり見て見ぬふりをされてしまったりする。そんな不都合な真実は我らがIT業界IT部門にも多数ある。今回の「極言暴論」ではその最たる例をご紹介しよう。 日企業のIT投資が、欧米企業どころか新興国の企業と比べてもダメダメなのは周知の通りだ。例示するまでもないと思うが、ERP(統合基幹業務システム)やクラウドサービスなど出来合いの製品を積極的に使おうとせず、愚にもつかない独自仕様のシステムにこだわり続けるのは日企業ぐらいだ。 で、その原因を突き詰めると「日企業の経営者の多くがITを分からないから」という結論になる。ここまでの話は当然、不都合な真実でも何でもない。大企業のIT部長に会えば「うちの社長はITに理解がなくてねぇ」と

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  • IT業界の多重下請け構造は超快適、変革の志が霧散する理由

    この「極言暴論」を書き始めてから既に7年目に突入した。ほぼ毎週書いてきたので記事の数は300近くに達する。「我ながらよく書いてきたものだ」と半ばあきれ、半ば感心してしまう。それだけ日企業のIT利活用や日IT業界に問題がてんこ盛りであるということだろう。ある意味、IT部門やITベンダーに感謝せねばならない。 さて、300近い記事の中で最も多く取り上げたテーマは何かというと、おそらくIT業界の多重下請け構造の問題であるはずだ。「おそらく」としたのは、厳密に何あるか数えられないからだ。極言暴論では複合的なテーマを扱っている。例えば「劣化したIT部門とご用聞きに明け暮れるSIerの惨状」といった具合だ。だから個別テーマごとに数を数えるのは難しい。 とはいえ感覚的には、やはり多重下請け構造の問題を最も取り上げてきたように思う。何せ人売り、ピンハネ、偽装請負、ブラック企業など何でもござ

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  • SIerの生き残り策を伝授しよう、下請けベンダーを切り捨て売上高を減らせ

    「お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)、デジタル変革を支援する」――。最近、大手SIerの経営幹部がやたらとDXを連呼する。2年ほど前までDXを連呼するのは外資系ITベンダーの幹部やマーケターぐらいで、SIerの幹部は「DXなんて、いつものバズワードでしょ」と冷ややかに見ていた。変われば変わるものである。 SIerの幹部が「DXだ。デジタル変革だ」と騒ぐようになったのは、もちろんDXに対する客の関心が高まっているからだ。ご用聞きで「お客様に寄り添う」ことをモットーにするSIerとすれば当然の反応。重要な客である大企業の経営者らが米国や中国などでデジタル化の動向を目の当たりにして危機感を持ち、IT部門などに「デジタルで何かやれ」と命じたりしているから、IT部門にへばり付いているSIerとしてもデジタルを語らざるを得ない。 「DXで基幹系システムの刷新案件をゲットする」という思惑も

    SIerの生き残り策を伝授しよう、下請けベンダーを切り捨て売上高を減らせ
  • SIerの人月商売はERPを「遊ばせる」、エンジニアリング能力劣化の悲惨

    少し前にこんな話を聞いた。日の大企業が導入したERP(統合基幹業務システム)の多くは平日の昼間、つまり企業の営業時間にはほとんど「遊んでいる」そうだ。基幹系システムなのだから営業時間中は業務処理でフル稼働していると何となく思っていたが、実際には暇で仕方がないらしい。 断っておくが、営業時間内に事務処理作業で基幹系システムを使っていないというわけではない。さすがに普段の事務処理作業はExcelを使うといったお笑いねたでもない。別の意味でのお笑いねたなのだ。要は、事務処理作業で基幹系システムは使っているが、ERPはあまり使っていないという話だ。 既に「なるほど、そういうことか」とふに落ちた読者も多いかと思う。言われてみれば当たり前の話だ。営業時間に事務処理を担っているのは、ERP体ではなくアドオンなのだ。毎朝のバッチ処理でアドオンがERPのデータベースから必要なデータを取り込む。営業時間中

    SIerの人月商売はERPを「遊ばせる」、エンジニアリング能力劣化の悲惨