AIのできる仕事の範囲がどんどん広がっている。このまま人間の仕事は奪われてしまうのだろうか。早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター顧問の野口悠紀雄氏は、「そのぶん、人間にしかできない仕事の価値が相対的に上がる。仕事を奪われないようにするためには、社会人になっても不断の “勉強”が必要だ」と説く――。 新しい勉強の時代が到来している これまで、日本では、大学に入るために勉強をしました。安定した生活が保証される大企業や官公庁などの大組織に入るためには、卒業した大学の名前が重要だったからです。勉強が、より偏差値の高い大学に入るための手段であったことは否定できません。 勉強は、大学に入った時点で終わりでした。社会人になっても、理系の研究者などを除けば、一般的にはそれ以上の勉強をしなくてもすんだのです。ところが、いま、その状況は大きく変わってきています。勉強を続けなければ社会の変化に対応できない