ブックマーク / wedge.ismedia.jp (24)

  • 「良い食品、悪い食品」という単純化は勧められない

    人に「オリーブオイルをべろ」は意味がない 松永:諸外国の文献を基に「悪い品」「良い品」をバチッと分けて、悪い品を良い品に置き換えたら健康になれる、という説明をする書籍がベストセラーになりました。エビデンスに基づく、というのが売りで、「オリーブオイルは○、玄米は○、加工肉は×」というような分け方をしています。 でも、先生のご著書では「この品は良い、悪い」という二分法はされていません。どうも世間では、エビデンスという言葉がマジックワードになっている気がするのです。エビデンスと言われただけで信じ込んでしまう、というような。残念ながら、栄養学の知識に乏しい知識人が「オリーブオイルがいい。エビデンスがある」などとSNSに書き込むような現象が起きています。 佐々木:では、オリーブオイルについて考えてみましょう。たしかに、アメリカでは「オリーブオイルがよい」と言われていますが、あれは日

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    finalvent 2018/09/05
  • 土台から崩れゆく日本の科学、疲弊する若手研究者たち

    国内の大学の最高峰、東京大学。その将来有望な若手研究者が働く研究室─―そこは、そのイメージとはほど遠い苦境に陥っていた。 東大で物理学を研究する高山あかり助教は、研究室の現状をこう語る。 「プリンターのトナーや紙、そういった必需品の購入にも気を遣います。研究室の机と椅子も、他のところで不要になったものを譲ってもらいました。研究のためのは自腹で買うことも多いですね」 こうした物品の購入など研究を行うための経費は、基的に各研究者に配られる「国立大学運営費交付金」から支払われる。これは文部科学省から各国立大学の財布に入り、そこから各研究者に配分される補助金だ。国立大学の研究者にとって運営費交付金は何にでも使える「真水」であり、研究の基盤となる資金だ。 昨今ノーベル賞を受賞した研究も、こうした自由に使える基盤的経費が充実していた恩恵が大きいことは、2015年にノーベル物理学賞を受賞した東大教授

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    finalvent 2017/11/29
  • クルド独立投票でイラク緊張、各国が猛反発、新たな内戦の恐れ

    イラクのクルド自治政府による独立国家の是非を問う住民投票が9月25日に迫る中、関係各国が猛反発し、緊張が高まってきた。特にイラク中央政府は軍事介入までちらつかせており、過激派組織「イスラム国」(IS)が掃討されつつある一方で、新たな宗派紛争、内戦の恐れが出てきた。 油田都市キルクークの支配 クルド人は国家を持たない最大の民族として知られる。イラク、トルコ、シリア、イランにまたがる山岳地帯を中心に約3000万人が居住している。今回、独立の是非を問う住民投票を計画しているのは、イラク北部のクルド自治政府だ。自治政府のバルザニ議長が昨年2月、「クルド人の将来を決める時は来た」として住民投票の実施を発表していた。 各地のクルド人はISの台頭とその混乱を独立に向けた地歩を固めるために最大限利用した。イラクでは米軍の支援を受け、北部モスルなどでイラク軍治安部隊とともにIS掃討作戦を推進した。特に北東部

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    finalvent 2017/09/19
  • オバマのサウジ訪問、裏で散る火花 米国内の保有資産を売却と“恫喝”

    機密化された28ページ ことの発端は2002年に遡る。ニューヨークの世界貿易センタービルに旅客機を突っ込ませて約3000人を殺害した2001年の9・11の後、上下両院の超党派調査委員会が情報活動の欠陥を調査、1年後に838ページに上る報告書を公表した。 しかし、9・11の実行犯19人をサウジ当局者が資金援助したという疑惑に関する28ページ分は時のブッシュ政権下で機密扱いとされ、公表がストップされたままだ。犠牲者の家族らが再三に渡って機密扱いの解除を求めてきたが、実現していない。 この議会調査委員会とは別の公式な9・11委員会は2004年、報告書を発表した。報告書はこの中で疑惑について「サウジ政府ないしはサウジ高官が関与した証拠はなかった」と言及したが、あえて「高官」としたところに疑問が集中、低レベルの当局者の関与があったとの疑惑が逆に高まった。 サウジアラビアはアジア重視を決定したオバマ政

    オバマのサウジ訪問、裏で散る火花 米国内の保有資産を売却と“恫喝”
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    finalvent 2016/04/21
    「28ページ分は時のブッシュ政権下で機密扱いとされ、公表がストップされたままだ」
  • 「因果関係確認できず」名古屋市の子宮頸がんワクチン調査とメディアの曲解

    2013年4月に定期接種となり同年6月には事実上の定期接種停止状態となっていた子宮頸がんワクチンの副反応問題。名古屋市は、市内に住む若い女性約7万人を対象にワクチンの接種群と非接種群におけるワクチンの副反応が疑われる症状の発症状況についての調査を行い、12月14日に結果(速報)を発表した。回答率は43.4%、回答者のうち接種者の割合は69.47%。 年齢で補正した調査結果は、月経不順、関節や体の痛み、光過敏、簡単な計算ができない、簡単な漢字が書けない、身体が自分の意志に反して動くなど、メディアでも繰り返し報道されてきた子宮頸がんワクチンとの因果関係を疑うとされる24の症状について、「接種群に多く発生しているわけではなく、むしろ15症状で少ない」というものだった。 9月の朝日新聞の報道によると市内の接種者は約4万2000人。これを基に計算すると接種者のアンケート回答率は約5割で、非接種者の回

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    finalvent 2015/12/17
  • 西側フェミニストが読み解くオタク文化

    のアニメやマンガは海外でも大人気だが、米国のサイトが「西側フェミニストから見たアニメとマンガの女性キャラクター」という論考を配信している。英BBCなどが「少女愛、小児性愛を促す異常な国」と短絡的に報じるのはよく聞くが、この米国のサイトの場合、アニメ好きならではの細かくかつ意外な見方が面白い。 芸能、アニメ、ゲームなどを扱う米国のエンターテイメントサイトThe Mary Sueの配信記事「西側フェミニスト……」はアルビナ・レイという女性記者が執筆。「セーラームーン」や「もののけ姫」、日の女性漫画家集団CLAMPの作品などを取り上げている。 レイ記者によると、女性が出てくるマンガやアニメは大きく、①少女(恋愛)②大人の女性③ECCHI(エッチ)④HENTAI(変態)などのジャンルに分かれるそうだ。 「西洋でも女性が望まないのに性的対象(オブジェ)にされる問題は解決していないが、差別的なメ

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    finalvent 2015/10/25
  • 広がり始めた電子書籍市場 攻めるAmazon、村上春樹で挑む新潮社

    最近、電車の中でも専用端末やスマートフォンで電子書籍を読んでいる人を見かけるようになってきた。数年前から電子書籍を読むための専用端末などが販売され、紙との同時発売が増えたことなどから電子書籍の市場が徐々に拡大してきている。 しかし、市場の7~8割はコミックが占めており、雑誌や人気作家の小説などのジャンルにいかにして広げていくかが課題になっている。ノーベル文学賞に最も近いといわれている村上春樹の作品は、日語では電子化されず紙のみで提供されており、読者層を増やすためには人気作家をいかに説得するかもポイントになる。 「格的な拡大期」 電子書籍の市場を調査しているインプレス総合研究所によると、2013年度は雑誌と書籍を合わせた電子書籍出版の市場規模が初めて1000億円を突破し、「格的な拡大期に入った」と分析し、18年度には3340億円にまで伸びると予測している。だが、1兆6065億円(201

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    finalvent 2015/07/03
  • 南シナ海問題に警戒感を高める米国

    アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)日研究部長のオースリンが、5月14日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙にて、中国の南シナ海における高圧的な行動を止めさせるためには、中国の変化に期待するだけでは足りず、中国を巡る国際環境を変えていくことが有益である、と論じています。 すなわち、ペンタゴンは、中国が新たな建設を進めている南シナ海の島嶼周辺を偵察する為に、米軍の艦船・航空機を派遣することを検討していると発表した。この計画がホワイトハウスにより承認されれば、アジアのパワーバランス形成を巡る争いは新たな局面に入る。 米国の政策立案者達とアジアの同僚達は、中国が国際化し、国内で民主化を進め、対外的にも協力的になることを長く期待してきた。 しかし、中国を巡る国際環境を再構築することの方が、中国政府の質が変わることや民主的な蜂起に期待することよりも、中国の政策選択に影響を与える上で役に立

    南シナ海問題に警戒感を高める米国
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    finalvent 2015/06/19
  • 韓国MERSに関心がない欧米 感染症学は植民地経営のために発達した

    「MERS感染拡大 韓国政府は悪くない」というタイトルで、記事をウェブに出してから10日あまり。私がこれまでに書いた感染症もののウェブ記事の中で、これほど騒がれたものもない。タイトルだけ見て好きなコメントをする人が多かったが、きちんと中身を読み、正しく評価してくれる読者もたくさんいた。 インフルエンザとは違い 「知らない間に罹ること」はない 10日間で確認された感染者数は5倍に、そして、死者数は7倍になった。しかし、幸いにも、MERS(中東呼吸器感染症)は相変わらず「当初の予測を超えない範囲」で流行している。 韓国における最初の患者が、中東のどこでどのように感染して来たのかは未だに特定されていない。また、患者を搬送した救急車の運転手が感染していることなどから、「MERSの感染力は意外とあるのかもしれない」との印象も受ける。しかし、最初の患者をのぞけば、3次感染でも4次感染でも、患者が感染し

    韓国MERSに関心がない欧米 感染症学は植民地経営のために発達した
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    finalvent 2015/06/16
  • 米の中国分析のベテランが告白 「自分の対中認識は間違っていた」

    米ハドソン研究所中国戦略センターのピルズベリー所長が、今年2月発刊の著書“The Hundred-Year Marathon – China’s Secret Strategy to Replace America as the Global Superpower”において、中国は、2049年までに米国に代わって世界の支配国になることを目指している、と述べています。 すなわち、米国は、中国を支援し続けていけば、中国が民主的で平和な国家になり、地域や世界を支配しようなどと考えないだろうと想定していたが、完全な誤りであった。我々は、中国内の強硬派の力を過小評価していた。強硬派は、中国建国100年の2049年までに経済、軍事、政治のすべての面で世界のリーダーになるとの計画(100年のマラソン)を有し、毛沢東に始まる歴代の政治指導者に助言することで、建国当初からそれを実施に移していたのだ。強硬派は

    米の中国分析のベテランが告白 「自分の対中認識は間違っていた」
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    finalvent 2015/06/16
  • 韓国人のハングルへの思い入れ

    ソウル中心部・竜山にある国立中央博物館の隣に10月、国立ハングル博物館がオープンした。地上3階、地下1階で、床面積は約1万1000平方メートル。展示室や子供用の体験コーナー、外国人向け教育スペースなどを備えた立派な施設だ。文化体育観光省のプレスリリースは、「ハングルの文字・文化的価値を広く知らしめ、科学・産業・芸術などさまざまな分野とのコミュニケーションを通じて、ハングルの新たな価値を創出する中心機関になる」と意義を強調している。 ハングルは民族の自負心を象徴する存在に ハングルは、朝鮮王朝きっての名君とされる王・世宗(セジョン)が「普通の人々が簡単に学べて使える文字」を作るよう学者たちに命じ、1443年に作られた人工の文字だ。ハングル制定後も公文書は漢文だったが、日教育が重視され、韓国語が迫害された植民地時代を経て、ハングルは、民族の自負心を象徴する存在のようになった。日の敗戦によ

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    finalvent 2015/05/23
  • しぶといパキスタン外交

    パキスタンに対して、サウジも、インドも、米国も、そして中国でさえも腹を立てているが、パキスタンの国際的立場は見かけよりも強力であり、切り抜けるのも上手い、と4月18-24日号の英エコノミスト誌が報じています。 すなわち、パキスタン外交の原則は、(1)インドを挑発するが、やり過ぎない、(2)米国が聞きたいことを言う、(3)中国がして欲しいことをする、(4)アラブ諸国が買いたいと思うものを提供する、ということになろう。 ところが、今月、パキスタンはサウジからのイエメン派兵要請を断り、サウジを怒らせた。パキスタンのシャリフ首相はサウジに亡命したことがあり、また、サウジは昨年、パキスタンに150億ドルを「無条件」で供与した。一方、パキスタンは、イスラム世界最大の戦闘部隊を擁し、長年、反政府過激派と戦ってきた経験がある。 しかし、パキスタンにはイエメン関与を避けたい理由がある。まず、パキスタン軍は今

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    finalvent 2015/05/20
  • 米の新海洋戦略に対する中国の反応

    ハドソン研究所米海軍力センターのマグラス副所長が、National Interest誌ウェブサイトに4月10日付で掲載された論説にて、3月に公表された米の新海洋戦略について、今回報告は中国を名指ししており、中国は強い反応を示すかもしれず、米中の海軍力競争は今や双方が公然と認める競争となっている、と論評しています。 すなわち、2015年海洋戦略は、具体性に富み、また、作戦志向的になっていることで、専門家からは前向きの評価を受けている。他方で、中国の反応はどうだろうか。 前回の2007年海洋戦略は中国を名指しすることを避けた。当時のマレン海軍作戦部長は、行間を読めば中国もわかるだろうと名指しをしないことに決めた。マレンの予想は正しかった。米国がその世界防衛システムを一層強化し世界での主導者としての役割を維持していくことを婉曲的ながら鮮明にしたことを、中国関係者は決して好ましいものとは受け止めな

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    finalvent 2015/05/15
  • インド洋へも展開する中国の原潜

    4月12日付のDiplomat誌で、インドのObserver Research財団の上席研究員であるゴーシュが、先頃、アデン沖の海賊対処の中国部隊に原潜が配備されたことを紹介し、これは海賊対処というよりも、むしろ将来のインド洋海域への展開に向けた動きである、と警告しています。 すなわち、中国がアデン湾沖の海賊対処部隊の一部として原潜を配備したことは、インド海軍に強い警戒感を与えた。これは極めて大きな戦略的な意味合いを持つ動きである。 潜水艦は海賊対策には適さない。速度の遅い潜水艦では海賊の高速で動く小舟を追跡できないし、魚雷で攻撃できるものでもなく、潜水艦は海賊対策には不必要なものだ。更に、海賊行為は減少し、関係国はプレゼンスを縮小しているのに対し、中国は、逆に増強している。 2014年12月13日から2015年2月14日までの中国原潜の配備の意図については、種々の疑問がある。インド海軍は

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    finalvent 2015/05/15
  • イラク・クルド地域 これまでで最も整いつつある独立の条件

    イラクのクルド地域は、1991年に西側によってサダム・フセインの手から守られるようになって以来、繁栄を続け、今日では事実上の独立状態にあり、いずれ独立国家になってしかるべきである、と英エコノミスト誌が社説で述べています。 すなわち、混乱が続くイラクにあって安定と繁栄を続けてきたクルド地域は、ISILによるモスル陥落以降、いっそう独立の度合いを強めている。勿論、国家として独立するには、(1)投票による人々の独立の意思の確認、(2)経済的自立、民主主義の発展性、自国を守る軍事力の確保、(3)トルコ、イラン、シリアの一部併合による大クルド国家形成の否定、(4)周辺諸国の支持、(5)イラク政府との合意等が必要になる。 これらのうち、持続可能な経済は手の届く所にある。石油の輸出量は増えつつあり、石油収入についても、イラク中央政府がクルドに最大限の分け前を与えることに同意した。石油生産量も間もなく日量

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    finalvent 2015/03/27
  • 人口減少は諸悪の根源か

    人口減少が諸悪の根源のように言われるが、経済学歴史で見ると、人口増加こそ諸悪の根源だった。 古くはマルサスである。産業革命以前でも人類が豊かになる兆しはあった。農耕の発明、国家統一による社会秩序の安定、大帝国の成立による交易の利益などなどである。狩猟採集で暮らすことのできる人口は100平方キロメートル(10キロ四方)あたり数人である。江戸時代、1町歩(100メートル四方)あれば立派に家族が養えた。土地生産性は1万倍に上がっている。人手で耕さなければならないので、労働生産性が1万倍になることはできないが、それでも少しは上がるだろう。人類は豊かになっても良かったのだが、少しでも豊かになれば子供が生まれ、人口が増加し、一人当たり耕地面積が低下して、人類は貧しいままだった。社会秩序の安定や交易から生まれる利益は、すべて人口増加に吸収され、一人当たりで豊かになることはなかった。これが、マルサス人口

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    finalvent 2015/03/04
    「高齢化の負担がとんでもないことになるからだ。」の議論が読みたいんだがなあ。
  • 想像以上に減速している中国経済

    始まったばかりの2015年、中国経済は一体どうなるのか。それを占うためにはまず、昨年の中国経済の実績を見てみる必要があろう。1月20日に中国政府が発表した、7.4%という2014年の経済成長率は、今後の中国経済の暗い見通しを暗示するような深刻な数字であった。 「成長率7.4%」といえば、先進国の中では高い数字であるが、中国ではむしろ大きく下がったと言える。政府発表の中国経済の成長率が7.5%を切ったのは実は1990年以来24年ぶりのことである。しかも、成長率がピークに達した2007年の14.2%と比べれば、7.4%はその半分程度。つまり2008年からの7年間、中国の成長率は半分ほどに下落しているわけで、その数字が尋常ではないことがよく分かる。 経済成長率に比例しない? 電力消費量、鉄道貨物輸送量 さらに言えば、政府の発表した7.4%という2014年の成長率が果たして当かどうかがまず疑問で

    想像以上に減速している中国経済
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    finalvent 2015/02/08
  • 大流行の「格差論」をどう読むか ピケティの議論は狭すぎる

    石造りの壮麗な建物や豪華な調度品に囲まれたエリートと何も持っていない人々がいる。ミラノは楽しいが、何もかもが高い。短い滞在で結構散財してしまったが、これを恒常的に、かつ家族で楽しめる人々と、そうはできない人々に社会が分断されているのを感じる。フランスで(おそらく他のヨーロッパでも)、それほど話題にならなかったのは、そんなことは当たり前で新味がないと感じられたからなのかもしれない。 ただし、ピケティの主張は、ノーベル経済学賞を受賞したサイモン・クズネッツの「経済発展の初期には所得不平等度は拡大するが、やがて平等化する」という、よく知られた議論とは反対である。ピケティは、それは戦後から1980年代まで続いた偶然にすぎないとする。図はCapital in the Twenty-First Centuryから引用したものだが、米国の所得上位10%層の全所得に占める比率は戦前の状況に戻っている。ピケ

    大流行の「格差論」をどう読むか ピケティの議論は狭すぎる
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    finalvent 2015/01/10
    「 ただし、ピケティの主張は、ノーベル経済学賞を受賞したサイモン・クズネッツの「経済発展の初期には所得不平等度は拡大するが、やがて平等化する」という、よく知られた議論とは反対である。」
  • 台湾の行方占う選挙 国民党・馬英九凋落で民進党にも擦り寄る中国

    11月29日、台湾で統一地方選挙(「九合一」選挙、行政院直轄市長選など9種類の選挙が行われるためこう呼ばれる)が実施される。2016年に行われる総統選挙、ひいては東アジア情勢の趨勢にも大きな影響を及ぼす重要な選挙である。無論、中国はこの選挙に注目している。 台湾では、地域による支持政党の特徴が明確で、北部は基的に国民党の、南部は民進党の支持基盤となっている。今回の統一地方選では、馬英九政権2期目に対する民衆の審判を仰ぐことになるが、与党である国民党に逆風が吹いており、野党が票を伸ばすと予測されている。馬英九が政権を取ってから6年が経ち、支持が下がってくるのは常のことだが、馬英九個人の支持率が低迷していることに加え、中台関係に生じている摩擦が、国民党をさらに不利な状況へ追いやっている。 国民党の地盤であり要衝である台北市においても、国民党候補の連勝文の苦戦が予想されている。連戦・元副総統の

    台湾の行方占う選挙 国民党・馬英九凋落で民進党にも擦り寄る中国
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    finalvent 2014/11/21
    「中国との経済関係は深化したが、台湾人としてのアイデンティティはむしろ強化されている。」
  • 北大生支援の元教授・中田考氏が語る「イスラム国」

    「イスラム国」に戦闘員として渡航計画を企てていたとして、10月6日に北海道大学の男子学生が警視庁公安部から事情聴取を受け、東京都杉並区の宿泊先などの家宅捜索を受けた。小誌は、この学生の渡航支援を行ったとして、同じく事情聴取と家宅捜索を受けた中田考氏に9月24日の段階で接触していた。9月に現地を訪れたばかりの中田氏が語る「イスラム国」とは――。 Wedge編集部(以下、――)なぜ「イスラム国」へ行ったのか。 中田 考(なかた・こう)氏 カリフメディアミクス代表取締役社長、同志社大学高等研究教育機構客員教授、イスラム学者(c)Takashi Suga 中田考氏(以下、中田)9月上旬に「イスラム国」に招かれ、シリア国内の彼らが支配する地域へ行ってきた。「(編集部注:8月にシリアでイスラム国に拘束されたとみられる)湯川遥菜氏の裁判をしたい。公正に裁きたいと思うのだが、英語も通じず、話にならないので

    北大生支援の元教授・中田考氏が語る「イスラム国」
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    finalvent 2014/10/09