企業の生成AI(人工知能)活用が進むにつれ、「RAG(Retrieval Augmented Generation、検索拡張生成)」という言葉を耳にする機会が増えてきた。外部データベースの情報を検索して生成AIの出力に反映させ、回答の精度を高める技術だ。エクサウィザーズが2024年5月に302社/402人を対象として実施した調査では、約5割がRAGに取り組み中もしくは検討中、約4割が関心ありで、関心がないのは約1割に過ぎなかった。企業は生成AI活用の入り口としてRAGに挑戦し、チャットボットなどを導入しようとしている。もっとも、RAGの扱いは意外に難しい。 導入をあきらめる企業も多い 「以前、社内の人事規定についての問い合わせに回答するRAGシステムを作成してPoC(概念実証)を実施したものの、回答精度が全く出なかった」。2023年度から生成AIチャットツールの東京ガスグループ内展開を進め
