清の雍正帝の治世のころに起こった中国とベトナムとの国境争いについて。大国である中国側がベトナムにゆずったという点が特筆される。 はじめに 2014年5月初旬に、中国が西沙群島 [1] で石油掘削を始めたことから、ベトナムと中国との間の対立がはげしくなっている。西沙群島は、中国の実効支配のもとにあるが、ベトナムも領有権を主張しており、ベトナムは中国の行為に大いに反発している。ベトナムでは大規模な反中国デモが発生し、ベトナムに進出する中国企業には大きな被害が出ている。 両国の領土をめぐる争いは今に始まったことではない。問題となっている西沙群島について言えば、1974年に中国と南ベトナム [2] の間に紛争があり、その戦いの結果、西沙群島の全ての島が中国の支配下に置かれることになった。また、中国とベトナムの間には陸上の国境もあるから、そこでも国境紛争が起きている。例えば、1984年には中国軍がベ