ヘギンボサム氏はまず、分析の前提として「外交的な手段が全て失敗して紛争に至る状況は予想していない。私がシナリオに言及する場合、確率が低くても現実的に抑止を計画する必要があるからだ」とした。 同氏は、過去の例として挙げたのが、冷戦時代に注目が集まったドイツの「フルダ・ギャップ」だ。 フルダは冷戦中、東西ドイツの国境にあり、北大西洋条約機構(NATO)の軍事戦略上、重要な都市の一つに数えられた。この地域の渓谷は「フルダ・ギャップ」と呼ばれ、フランクフルトを目指すソ連軍の進撃路になると予想されていた。しかし「実際には、ここでは発砲もなく、紛争に至る展望すらなかった」。 「同じことはかつての北海道にも言える。今後、南西諸島や台湾についても同様になるよう願う」と述べた。以下は、ヘギンボサム氏との一問一答。 ■中国から見ると「最前線」 ――南西諸島への自衛隊配備をどう評価しますか。 中国を巻き込んだ紛