「最大のライバルは、いつもきみの隣で眠るのが 習慣になってる、この子だよ」 「なにばかなこと言ってるのよ。 違うんだってば。ペットじゃ結局埋められないの。 やっぱり、そういうのは人とは違うものなの」 その意味も分かる。 それはきっとそうなんだろうけれど。 でも、思うに積み重ねてきた年月の重みは強いはず。 たとえば。 ときに他人には見せなかった涙があっただろう。 ときに激しく怒り、あるときは、泣きじゃくることも。 愚痴に次ぐ愚痴を黙って受け止めてくれたのは、 いつだって、その愛猫だったんだよね? あらためて思う。それには、敵わないよ。 しかも。 いつまでも、子供のようにちっちゃいのに、 昔と違って、目やにが増えて、 しょっちゅう吐いて、身軽さがなくなり、 急速に老いていくその姿に、 ぼくは想像せずにはいられない。 ペットロスになって、毎日毎日塞ぎ込む日々のきみを。 それともうひとつ。 埋めら