平安時代の官位8色(右から順に一位~八位)。源氏物語『澪標』の帖をイメージしたもので、一番右が「濃紫(こきむらさき)」 特別展「日本の色―吉岡幸雄の仕事と蒐集―」細見美術館(京都) 古代の高貴な人が身に付けた「濃紫(こきむらさき)」、天子の色「黄櫨染(こうろぜん)」、平安時代の天皇や皇太子が着用した色「麴塵(きくじん)」――。いにしえ人が実際に目にしたであろう、失われた日本古来の伝統色を半生かけて現代に甦らせた人物が、江戸時代から続く京都の染色工房「染司よしおか」5代目当主で染織史家の吉岡(よしおか)幸雄(さちお)氏です。 2019年に73歳で急逝した吉岡さんが私達に遺(のこ)してくれた「日本の色」とは? 現在、初の回顧展「日本の色―吉岡幸雄の仕事と蒐集(しゅうしゅう)―」が開催されている京都・細見美術館の展示作品から、その軌跡をたどってみましょう。 染織史家・吉岡幸雄 1946年(昭和
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