この書籍は近日刊行予定です。この商品をご注文いただいた場合には刊行後の発送となります。実際の刊行時期は、予定と多少異なる場合がございますので、あらかじめご了承下さい。 「古きをこひねがふにとりて、昔の歌の詞を改めずよみすゑたるを、即ち本歌とすと申すなり。」(『近代秀歌』) 古典たる古歌を自身の歌に摂取し、新たな和歌を創造する技法、本歌取り。 藤原定家が『近代秀歌』『詠歌大概』において準則を定めたこの新古今時代を特徴づける和歌表現は、如何なる歴史的展開の中で萌芽し、展開、定着していったのか。 作者の意図と読者の読解との連関を支える教養・知的基盤の共同性に着目。 既存の作品から表現や発想を借り、自身のものとして再生する営為の展開を、平安中期のプレ本歌取りのあり方、一大歌壇を成した藤原良経の詠作における漢詩文摂取、新古今時代の新たな和歌表現のあり方を示した藤原俊成の物語摂取、そして、新古今歌人た