自分が好きなこと、自分がせずにはいられないこと、何かに突き動かされるようにそうしてしまうこと、などが、私には何かあるだろうか。ないから残念、というわけでも、ある人がうらやましい、というわけでも、自分にもあったらいいな、というわけでもないのだけれど。どちらかというと、私は、折々に、私には、そういうものが特別見つかっていなくて、よかったなあ、と思うのだ。 そうせずにはいられないものが、たまたま、個人的にも家庭的にも社会的にも受け容れられやすい種類のものであれば、問題なく平穏に過ごしやすいのだろうけれど、必要以上に手を洗わずにはいられなかったり、自分の髪の毛を抜かずにはいられなかったりする「強迫性障害」的な表れ方をしたときには、それはそれで本人も周りもいろいろとつらいものがあり、その治療にも折り合いにも手間や時間が多く必要だ。あるいは、自分の中から、止めようのない犯罪傾向が突き上げてくるとしたら