統一教会(世界統一平和家庭連合)をめぐる騒ぎには、おもしろい特徴がある:その全盛期を知らない人ほど、統一教会が「巨悪」だと思い込んで騒ぐことだ。統一教会は文鮮明の死後、分裂し、今は信者6万人程度の零細な新宗教にすぎない。 しかし1990年代の霊感商法や合同結婚式は大規模だった。今ワイドショーに出ているのは、その時期までの「元信者」がほとんどだ。1988年の合同結婚式が、あたかも現在の教団の問題であるかのように延々と語られ、時系列がこちゃごちゃになっているので、ここで整理しておこう。 1.統一教会は安倍元首相暗殺事件に責任はない 今回の騒ぎのきっかけは、安倍元首相の暗殺犯人が「統一教会への恨みが動機だった」と供述した(といわれている)ことだが、そんなことはテロの理由にならない。したがって統一教会は、犯人の妄想には責任を負わない。テロの動機を詮索することは、「騒ぎを起こして統一教会を攻撃させよ