トヨタ自動車が、工場内で労働者が業務中に腰痛などの疾病を負った際、「とりあえず健康保険」での受診を指示して労災をすぐに使わせないようにしていることが12日、本紙が入手した同社のマニュアルなどでわかりました。関係者は「労災にさせない隠ぺいのシステムがトヨタのルールになっている」と語ります。(矢野昌弘) 本紙が入手したのは「〈最新〉労災手続きマニュアル」という冊子。トヨタの「安全健康推進部 総括G」の監修となっています。初版は2005年で、改訂を重ねています。 同マニュアルによると、従業員が「疾病」を発症すると、工場内にある「健康管理室」にまず行きます。同室での指示で、外部の病院で受診する場合、「治療依頼書」をトヨタから渡されます。「依頼書」には「保険扱い」という欄があり、労災か健康保険のどちらで受診するか、チェックすることになっています。 同マニュアルは「『とりあえず健康保険でお願いします』