等身大スコープドッグを制作した現代美術家の、人が乗り込めるオリジナルロボットの最新作「クラタス」から導入。多脚型をふくむ人型ロボットの現在と未来を追う。 まず、クラタス制作者が無邪気な口調で軍事用途を言及した冒頭からして、編集したスタッフの暗示を読むべきだろう。 具体的に想定されるヒューマノイドの用途として、このドキュメンタリーは原発事故と軍事目的の二つを提示する。そしてその二つの用途が密接に関連していることを、災害事故を想定した多目的ロボットコンテスト「ロボティクスチャレンジ」計画で描き出す。コンテスト自体がアメリカ国防総省の肝いりということもあるし、実際に日本の技術者がその懸念を指摘する場面もある。 そもそも、どちらの用途に向かうにしても、人間を幸福にするという明るい内容ではなく、せいぜい人間の痛みを軽減させる目的でしかない。それは、アシモの技術を福島原発へ投入しようとしている本田技研