「仕事も頑張るがプライベートも大切にしたい」「頑張りすぎてうつになった」「休職している」「あまり働きたくない」「就職しないで生きたい」 そんな経済成長に寄与しそうもない老若男女が、「企業戦士たれ!」という同調圧力にあがく中で、羽を休め、毛繕いに来る場。そんな心の止まり木が、俺の営んでいたオーガニック・バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」だった。 企業戦士と言う仮面を被った面々は、世間体や常識という空を舞おうにも、利益のために人を騙すような汚い命令や乱暴な目標(ノルマ!?)に、羽は薄汚れ、乱れ、乾いていた。傷ついた鳥たちは、このバーで体調が潤う酒に羽を浸し、都会という荒野が広がる空には戻らずに、ローカルという新しい希望の空へ飛び立っていった。 かつて貧しい時代に洗濯機や掃除機が普及した頃、人はこう言っただろう。「なんでも便利になって、近い将来、人は働かなくても生きられる時代になるね」。今