──以前は、ヒロイン役を演じる時に「自分でいいのか?」とどこか尻込みしてしまうとおっしゃっていましたよね。 それが今回はあまり尻込みしなくて。なぜかというと、かおりは“最愛のブス”だから。キラキラしたヒロインだったら「そこに立つのは私じゃないかな……」って気後れしちゃってたかもしれないけど、かおりは外見どうこうじゃなく、むしろごく普通なのになんでか忘れられないという子で。この“なんでかわからない愛おしさ”みたいなものを任されたのなら、やりたいと思ったんです。それなら出せる気がしたんです、自分の中で。 ──内面的な魅力のあるヒロイン像に、演じたい欲を掻き立てられたんですね。 これまでに演じた恋愛もののヒロインで一番、責任というか重みを感じました。私はよく「普通さがいいね」と言っていただくんですけど、その普通さを武器にして演じることが多いんです。だから今回ほど、他人の人生にまとわりつく役という