走れ、ママさんタクシー−。海老名市の「ハートフルタクシー」が事業所に託児所を開設し、子育て中の母親をドライバーとして雇用する全国でも珍しい取り組みを始めている。乳幼児を抱え、働きたくても働けない女性に就労の場を提供し、会社側もドライバー不足を解消しようという一石二鳥の試みだ。 10月から同社が採用した「ママさんドライバー」は、現在6人。20〜30代が中心で、いずれも乳幼児を子育て中だ。午前8時半に出勤、事業所に併設の託児所に子どもを預け、午後5時半までハンドルを握る。女性特有のこまやかな心遣いなどが接客に生かされ、高齢者や女性の客に喜ばれているという。 きっかけは同社のドライバー不足だった。「募集をかけ続けていたが、こちらが望む若い人が集まらなかった」と飯田隆明社長(53)は振り返る。折しも県内では、どの自治体でも待機児童が問題となっていた。「子どもを会社で預かれば、若いお母さんの就労