約214万人が受給し、過去最多を更新する生活保護費のうち、食費や光熱費に当てられる「生活扶助費」の基準額が、今年8月から引き下げられることが決まった。国や自治体の財政を圧迫する社会保障費の見直しの一環だが、生活保護の基準額は他の多くの生活支援制度の目安にもなっており、引き下げは受給者だけでなくこうした制度の利用者にも影響が及ぶ可能性がある。(道丸摩耶) 非課税限度額は 厚生労働省によると、最後のセーフティーネットと言われる生活保護の基準額は最低生活を保障する水準を示しており、収入が達しない部分が保護費として補填(ほてん)される。この基準額が他の生活支援制度を受けられる対象者の範囲や手当、給付金額を決める目安にも使われている。 その代表的な例が住民税の非課税限度額だ。生活保護受給者は住民税が免除されるが、受給者でなくても前年の合計所得が限度額以下であれば、住民税は非課税となる。この限度額が、