「大学のレジャーランド化」とは学生が勉強せず遊びやアルバイトに明け暮れる姿を揶揄した、30年以上前からある表現だ。 だが、「むしろ大学は教員のレジャーランドである」と指摘するのは京都大学名誉教授、京都女子大学客員教授の橘木俊詔(たちばなき・としあき)氏だ。同氏は『格差社会』(岩波新書)などの著書で知られる経済学界の重鎮である。 橘木氏は時代が大きく変化しているにもかかわらず、大学に身を置く教員の意識だけが前時代的なままになっていることに強い危惧を抱き、大学教員の“不都合な真実”を業界内部から告発しようと決意した。 「日本の大学は世間の持つイメージとは違ってぬるま湯に浸かりきっています。まず『研究しない研究者』が少なくない。ある有名私立大学の文系学部では、生涯に2本しか論文を書いていない教授が複数います。助手・助教から准教授に昇進する時に1本、教授になる時に1本論文を書いているだけ。 自然科