「ニューノーマル」という言葉をご存じだろうか。昨秋の台風15号、19号のように、異常気象で大災害が「常態化」していることを指す。では、被害の大規模化を防ぐ方策はないものか。文化人類学者の竹村眞一・京都造形芸術大教授(60)は地球規模の気候変動に加え「社会の免疫力の低下」に注目する。【沢田石洋史】 竹村さんは東京・丸の内で気候変動やSDGs(持続可能な開発目標)をテーマとした講座「地球大学」を主宰する。2006年から続き、現在は2カ月に1回程度、研究者や企業人らを招き「地球の未来」を探る対談を重ねる。記者が初参加したのは15年夏。竹村さんは大胆な提言を次々繰り出す。例えばこんな話だ。 「国土の4分の1が海面下のオランダでは、水害や海面上昇対策として水に浮かぶ浮体式住宅が主流になりつつあります。浮かんでいれば水没の恐れもない。このくらい大胆な発想転換が必要な時代になりました」