新型コロナウイルスの国内での感染拡大は、全国一律の学校休校や、北海道での外出自粛に発展した。年初の段階で中国全土との往来を規制すべきだったとの声もあるが、当時は中国国内の状況が十分に伝わらず、訪日外国人の経済効果に配慮したこともあり、日本政府の独自判断でのシャットアウトには踏み切れなかった。中国の習近平国家主席が感染抑止の「重要指示」を下したのは1月20日。その2日前の18日に東京湾の屋形船で行われた宴会で、日本国内の感染は既に拡大していた。「水際」が突破された経緯を振り返った。 武漢市当局 中国政府へ忖度し隠蔽? 発表時すでに感染拡大 「一部の医療機関から『華南海鮮市場』と関係した肺炎患者の報告が相次ぎ、調べたところ、現在までに27人の病例が見つかった。これまで明確なヒトからヒトへの感染や医療従事者の感染は見つかっていない」――。武漢市衛生健康委員会が、原因不明の肺炎の流行を初めて公式ウ