安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡る一連の問題は、招待者名簿の廃棄など公文書管理のずさんさをあらわにした。あるべき情報公開のかたちとは。大阪府知事・大阪市長としての行政経験があり、日本維新の会を発足させた弁護士の橋下徹さん(50)に、課題と併せて尋ねた。【聞き手・石川隆宣】 冤罪事件を生む証拠廃棄 国民に響くよう強く訴えるべきだ ――「桜を見る会」の名簿廃棄など一連の問題をどうみますか。 毎日新聞の「公文書クライシス」などの報道は重要だが、国民には響いていない。自己満足にとどまってしまい、国民の声によって政治を動かすほどになっていない。名簿の廃棄は「大きな問題じゃない」と国民の多くは考えていると思う。裏金の献金リストでもないし、名簿自体に大した価値はないからだ。野党は合同ヒアリングなんかで細かな質問を繰り返したり、シュレッダーの前に押し掛けたりするのではなく、権力が記録を廃棄することがい